【1975年】日本の雑誌に掲載された『メイン・コース』アルバムレビュー

1975年夏に日本の音楽雑誌に掲載された『メイン・コース』の広告

アルバム『メイン・コース』発売時に日本の音楽雑誌に掲載されたレビュー。掲載誌はおそらく『ライトミュージック』じゃないかと。筆者はおそらく(同名異人でなければ)シンガーソングライターの林哲司さん。調べてみたら一時『ライトミュージック』で執筆されていたそうです。

「愛の詩はもう歌わない」などという歌があったが、ビー・ジーズといえばラヴ・バラードの大御所として長年その美しいメロディーとソフィスティケートされたハーモニーで幅広いファンを魅了してきた。1967年「ニューヨーク炭鉱の悲劇」でデビューして以来、「ラヴ・サンバディ」(注 原文のママ)「マサチューセッツ」「ホリディ」(注 原文のママ)「ワーズ」などたて続けにヒットをとばし、一躍スターダムにのしあがってしまった。そして実に8年間その甘い歌声は誰からも愛され、ポップ・バラードを歌わせたらビー・ジーズにまさるものはないと思うほど、そのイメージは鮮明に僕らファンの脳裏にやきついてしまった。その間、多少の音の冒険はあったにしても、いきつくところは必ずポップ・バラードを中心にしたサウンドつくりであったような気がする。しかし“ポップ・バラードのビー・ジーズ”というイメージは必ずしも彼らにとってよかったかどうかは疑問である。彼らの新しい試みは全く不発に終っているからだ。彼ら自身にそんな問題に対する葛藤があったかどうかはわからないがここ2年ばかりヒットに恵まれなかったことは事実だし、目まぐるしく変わるポップ・シーンにおいては彼らのポップ・バラードの入りこむ余地がなかったのかも知れない。この『メイン・コース』は、あらゆる意味においてビー・ジーズの会心作で停滞前線解除という爽やかな感じである。前作の『幸せの1ペンス』以来1年ぶりのアルバムだが、今までのビー・ジーズから1歩飛躍した感じさえしてくる。

最近の白人アーティストのアルバムを聴くとほとんどがソウル・ミュージックの影響を受けているが、このアルバムもそうした中の1枚かもしれない。端的に言ってしばしばリズムを強調したサウンドにまとめられているが、リズミックな部分と、ビー・ジーズが持っているメロディアスな部分がうまく融合し、濃いサウンドを形成している。

レコ―ディングは今年の1月から3月までの長期間、マイアミのクリテリア・サウンド・スタジオ(注 原文のママ)(E・クラプトンの『461オーシャン・ブールヴァード』のスタジオ)で行われた。リズム・セクションを中心としたアレンジもこのアルバムを引き立てているゆえんであろう。全曲すべてが佳作であり、改めてビー・ジーズの力量を再認識させられる。現在、A面2「ジャイヴ・トーキン」がLP同様全米でヒット中だが、新境地を切り開いた彼らが、今後どのような方向にいくかが楽しみになってきた。(林哲司)

きわめて好意的で穏当なレビューです。いま読み返すと、ああ、このころはクライテリア・スタジオはまだクリテリアと読まれていたんだなあ、などと思ったりします。

そういえば『ライト・ミュージック』は、ロビンのソロアルバム『救いの鐘』が発売されたときにレビューを掲載してくれた数少ない日本の音楽雑誌だったような記憶があります。

トップの画像は当時の音楽雑誌(おそらく『週間FM』)に掲載された『メイン・コース』の発売広告です。

{Bee Gees Days}

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