【1979年7月】LAドジャー・スタジアムを湧かせたビー・ジーズの七夕コンサート≪79年7月≫

31年前、七夕の夜に行われた歴史に残るビー・ジーズのLA公演のお話です。31年前も7月は暑かった!

これはロサンジェルス・タイムズ紙1979年7月9日(月)号に掲載された記事です。おりしもビー・ジーズはフィーバーのただ中、キャリア中最大ともいわれるSpirits Having Flownツアーの真っ最中でした。

この記事は7月7日(土)にドジャー・スタジアムで行われたコンサートの模様を伝えています。

アンコールにはアンディも登場。上の写真は“左翼スタンドで観ていたバーブラ・ストライサンドがもっとよく見ようとカメラマンの望遠レンズを借りたところ”だそうです。なかなか一生懸命見ほれている(?)様子がなんとも好感度大。がんばれ(?)、バーブラ! このとき、すでに来るべき「Guilty」の予感が!?

この記事によれば、それまでドジャー・スタジアムで公演したポップ・ロック系のアーティストといえばビートルズとエルトン・ジョンだけだったそうです。エルトンはビー・ジーズより数年前、1975年のツアーでこのスタジアムに登場。ほぼ3時間半にわたる公演の中でスパンコールつきのドジャースのユニフォームを披露したり、コーラス隊を導入したりして、「特別感」を演出したとのこと。

それに比較して、「ビー・ジーズも素晴らしかったが、ドジャー・スタジアムならではという特別な演出は何もなかった」と記事はちょっと残念そう。観客の中にはこれまでコンサートというものを経験したことがないローティーンも多かったけれど、長年のビー・ジーズ・ファンもたくさんいたとか。まるでティーンのアイドルのようなキャーキャーぶりでビー・ジーズが迎えられた、と書かれています。

コンサートの開始は午後7時。午後3時開場予定でしたが、早朝からファンが集まり始めたので会場を2時に早めたそうです。(何しろ、全席自由でフィールドの中までお客さんを入れていましたから、ステージに近い良い場所を確保するためには早く行くしかないわけですね)

7時過ぎに前座の黒人女性グループ、スイート・インスピレーションズが登場。ビー・ジーズが現れたのはすっかり暗くなった8時45分ごろ。オープニングの曲は「トラジディ」でした。屋外のコンサートとは思えないほどの重厚なサウンド。おなじみの爆発音のエフェクトが響き渡ると観客の間からも歓声があがった、と伝えられています。

当時、学生だった私は夏休みを利用してビンボー旅行。このドジャー・スタジアムを皮切りに、この年の全米公演をいくつか見にまいりました。この日の公演で覚えているのはとにかく暑かったこと(爆)。

炎天下、ステージに近い席を確保してフィールド内(日かげがない!)で待つのはとても大変でした。また日本で行ったそれまでのコンサートに比べて、例のお仕着せの銀色の衣装を着た三人が絵に描いたような「スーパースター」を演じているように見えてしまって、もっと自然で暖かな雰囲気のあった以前のステージを懐かしくも思いました。

以降、ビー・ジーズは小さなコンサートホールよりもスタジアム・ツアーといった傾向を強めます。華やかなスタジアム・ツアーは確かに魅惑的です。けれども本人たちでさえ「キャリアが落ち込んだ」時期として振り返る気味のある70年代初頭に、キャパが2,000~3,000人程度のホールで何度もビー・ジーズを見られた日本のファンは、ある意味とても幸運だったのではないかと思います。

ドジャー・スタジアム公演で個人的に一番印象的だったのは記事にもとりあげられている「トラジディ」(当然ながら、このとき初めて生で聞きました)。アンディを見たのはあとにも先にもこのときだけですが、彼が登場したときの観客の悲鳴のような歓声は忘れられません。さりげなくアンディを気遣う感じのモーリスが印象的でした。

実に5万6,000人が酔いしれたという真夏の夜の夢でした。そして、とにもかくにも内野は暑かった! あとでスタンド席に座ったファンの話を聞いたら、そっちはそっちでステージの上のビー・ジーズが豆粒のようにしか見えなかったそうですが(まあ、そりゃそうでしょうね)。でも今ならスタンド席で座って見る方をとるかなあ(爆)。

{Bee Gees Days}

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