姉レスリーが語るロビン・ギブの思い出

ギブ兄弟の長姉にあたるバリーより2歳年上のレスリー・エヴァンズ(旧姓ギブ)さんが在住しているオーストラリアのテレグラフ紙(2012年5月26日付)の取材に応じて、弟をしのぶ思いを語りました。以下に簡単にまとめてご紹介します。

67歳のレスリーさんはロビンがグループを脱退中だった1969年にロビンのピンチヒッターとしてビージーズと一緒にステージに立ったことがあります。その時のことをこんな風に振り返っています。 

 急にロブ(当時ビージーズのマネージャーだったロバート・スティグウッド)から電話が来て、「レスリー、君、歌は歌える?」と聞かれたので、深い考えもなく、「あら、歌が歌えない人なんていないでしょ?」と答えたの。

その結果、ほとんど経験のないレスリーさんは三週間たらずのリハーサルを経てバリー&モーリスとステージに立つことに。

素晴らしい経験で楽しかったけど…わたし向きではなかったの。ふたごの子どももいたし、ロビンもその後まもなく戻ってきたしね。

こうしてビージーズが世界中で2億枚を超えるアルバムを売り上げ、史上ビートルズに次ぐスーパースターに数えられるようになる一方で、レスリーさんは夫君のキースさんと共にシドニー(オーストラリア)に居を構え七人の子どもたちを育てあげます。現在はご主人と一緒にブルーマウンテンで退職後の人生を送っているそうです。

わたし、プライベートな人間なんです。弟たちの人生は華々しいけれど、わたしはわたしでここでひっそりとプライベートに暮らしてとても幸せだったんです。知り合いの人たちはビージーズがわたしの弟なんだと知っているし、子どもたちの学校友だちも知っています。でもそれだけ。特に大騒ぎするようなことでもないし。

日曜日(20日)早朝に、62歳のロビンの命が持ってもあと数時間という電話を受けたレスリーさんは苦しい時間を乗り切るためにロビンが「華々しい人生」を送ったという事実だけに思いを集中することにしたそうです。

ロビンは誰よりも素晴らしい、本当にすごい人生を送ったんです。ロビンの望みはただひとつ、スターになること、音楽をやること。そしてそれを実現したんですもの。

あまりの大成功の代償として家族を数々の不幸が襲っているのではないかという声については、

悲劇だなんて思いません。だって弟たちの人生は本当に素晴らしいんですもの。ロビンは成功の代償として一種の罰を受けてるんじゃないかと言ってたことがあるんです。アンディとモーリスを失い、父も早く亡くしたので、成功の”ツケ”を払わされたと思っていたのね。でもわたしは悲劇だったなんて思わない。

ロビンが亡くなったことでギブきょうだいは長兄のバリーと長姉レスリーさんのふたりだけが残ったことになります。末弟のアンディは30歳の若さで心臓の病により死去。グループのミュージカルディレクターでもあったモーリスは、2003年に腸ねん転手術の待機中に心臓発作を起こして53歳で死去。

来週イギリスで行われるロビンの葬儀と追悼式にレスリーさんは出席しないそうですが、心に残る葬送になるだろうと語っています。

ロビンは「How Deep Is Your Love」を流してほしいと希望したそうよ。大好きな曲でしたからね。

トップでご紹介したTelegraph紙のサイトではロビンの思い出を語るレスリーさんのビデオも見ることができます。若いころはお父さん似かなという感じだったレスリーさんですが、この年齢になると輪郭はお父さんですが目元はお母さんにそっくりです。中には記事にない内容も語られていますので、そちらも簡単にご紹介します。

バリーはもう仕事をしていないけれど、ロビンは一瞬たりとも休まずに働き続け、本当に仕事を愛していました。それからとても病気をこわがって気をつけていたので、ロビンが風邪をひいたのも見たことがないぐらい。コンサートのあとの集まりでも、風邪をうつされたり、たばこの煙で喉をやられたりするのがいやだと言って、5分もすると部屋に帰っていました。ナイフやフォークを殺菌してた時期まであって、レストランで菌に感染するのをこわがっていました。それなのにこんな病気になるなんて……ほんとに皮肉です。

© 2009 - 2024 Bee Gees Days. 当サイト記事の引用・転載にあたっては出典(リンク)を記載してください。

おすすめ

error: 記事内容は保護されています。