クリフ・リチャード、『ワーズ』とバリー・ギブについて語る

訳詞コーナーで『ワーズ』を取り上げましたが、この曲はもともとはクリフ・リチャードのために書かれたそうです。ただ、クリフ自体はそのことを知らなかったのだそうです。この2004年のビデオでクリフ自身が名曲『ワーズ』をめぐる不思議な因縁とバリーと仕事をした経験についてユーモアたっぷりに語っています。

 もともとビージーズの大ファンだったというクリフ。バリーに初めて電話したところ、「クリフ! ぼくたち、君の大ファンなんだよ!」と言われて、「よく言うよ(笑)」と思ったとか。

バリー: クリフ、ぼくたち、君のために曲を書いたことがあるんだよ。
クリフ: えっ、なんのこと? 曲なんかもらってないよ。
バ: いや、どうやって君にコンタクトしていいかわからなかったんで、結局ぼくたちでレコーディングしちゃってさ。
ク: えっ、それってどの曲?
バ: 覚えてないだろうけど、『ワーズ』っていう曲なんだ。
ク: !!!!

というようなやりとりがあったそうですが、クリフ自身、実は『ワーズ』が大好きでいつもコンサートのレパートリーに取り入れていたのだそうです。バリーの方はそれを知らず、またクリフの方ではその『ワーズ』がもともと自分のために書かれた曲だとは知らなかったというお話。

で、そのことを知ったクリフは「あんな曲、いらないよーん。他の曲をちょうだい」と言った…というのは冗談だそうですが、とにかくバリーがクリフに贈ったのは息子のアシュリーと一緒に書いた『I Cannot Give You My Love』と親友のデイヴィッド・イングリッシュと書いた『How Many Sleeps』でした。この2曲のレコーディングのためにバリーの招待でマイアミ入りしたクリフは、5日間ほど滞在したそうで、その時の経験について、バリーは「ほんとに素晴らしい人」で、バリーも息子も「すごく才気にあふれていて、いつも曲作りに取り組んでいた」と語っています。

さて、いよいよスタジオで歌う段になり、エコー、ライトの調節などもすんだときのクリフはどうだったか、というと――

暗くしたスタジオで浮かび上がるバリーのシルエットを見たら、急に緊張しちゃったんです。そのシルエットがまさに“バリー・ギブ”っていうイメージそのものだったんですね。“うわあ~、バ、バ、バ、バリー・ギブだ~”状態になっちゃって、なんとかバリーにウケようと頑張って歌っちゃった…

…のだそうです。

クリフって面白い人なんですね。さすがにビージーズと同じ50年を超えるゴールデンキャリアの持ち主、とても話術が巧みで、聞き手を楽しく惹きつけます。ソロでやって来たせいでしょうか、独りでボケとつっこみを兼ねてるみたいな感じで、ボケとつっこみを三人で展開して独特の間(ま)があるビージーズ三兄弟の傑作インタビューともまた違った面白さがありますね。

こうして2004年にレコーディングされた『I Cannot Give You My Love』はクリフ・リチャードの2004年のアルバム『Something’s Goin’ On』に、『How Many Sleeps』はシングル『Something’s Goin’ On』のB面に収められています。

またこの縁もあって、バリーはクリフの2006年の『デュエットアルバム』にも参加。9曲目に収められている『フィールズ・オブ・ゴールド』(スティングの曲)をクリフとのデュエットで歌いました。

『Words』を歌う若き日のクリフの映像はこちら(YouTube)で見ることができます。(Thanks: Yamachan)

[Bee Gees Days]

Something’s Goin’ On デュエットアルバム

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