バイデン米大統領のビー・ジーズ祝賀スピーチ「私もファンです!」

引き続き、12月3日にはホワイト・ハウスのイーストルームでケネディ・センター名誉賞受賞者のためにレセプションが開催され、バイデン大統領の祝賀スピーチが行なわれました。

この様子は上記のケネディ・センターのYouTubeで観ることができます。上に貼ったのは受賞者5人についての祝賀スピーチの動画ですが、ビー・ジーズ(バリー)についてだけの部分だけ編集した短い動画はこちらです。長い方にも、他の受賞者たちと一緒にスピーチに聞き入るバリーの姿がちょこちょこ出てきます。

バイデン大統領のスピーチの概要は次の通り。

子ども時代をオーストリアとイギリスで過ごしたバリー・ギブは、ありがたや、最終的にはアメリカに来てくれました(観客笑)。弟たちとバリーの目標はただひとつ、大成功すること。まだ子どもだった彼らはチーズの箱をギターにみたてて好きな歌手の歌声にあわせて口パクしたり、街角で歌ったりしていました。ステージ・デビューは10歳にも満たないときです。

当時からごく自然にスリー・パート・ハーモニーで歌っていました。天性の才能です。こうして史上たぐいまれな成功を収めたビー・ジーズが生れたのです。実は…私…ファンでして(喝采)。彼らがソウルフルなヒットを飛ばしていた60年代には私はまだ子どもでしたが(笑)、70年代のディスコ時代における爆発的なヒットの連発まで、60 年代、70年代、80年代、90年代…と4つの時代にわたって、トレードマークだったファルセットの歌声と旺盛なソングライティング活動によって、彼らは2億2000万枚のアルバムを売り上げ、作った曲は1,000曲以上、他のスーパースターたちにも曲を提供しました。実に、ナンバーワン・ヒットは9曲、トップ40入りしたヒットはほぼ30曲、グラミー賞を5回受賞、ノミネーションは9回を数えます。

ビー・ジーズといえば、耳について離れないビートを思いますが、私は彼らの歌詞に歌われているシンプルで普遍的な真実が人の心を打つのだと思います。「決して僕を照らさない光がある」という一節は、絶望的な恋を歌い、「生まれてこのかた小突き回されっぱなしの人生だ」という一節は、将来性のない仕事や生活の中であえぎながら生き延びようとするベイブリッジの19歳の若者の姿を歌います。まだまだたくさんの曲があります。

ギブ兄弟は、やすやすとごく自然に素晴らしいサウンドを紡ぎ出しました。彼らの言葉によれば、「一緒に道を歩いていて、ふいにひとりが歌い出すと、同時に、あとの2人も一緒に同じキーで歌いはじめる、なんてことがよくあった」そうですが、信じられないような話です。彼らがビー・ジーズとして成し遂げたのは、この世界を見つめて、ストレートにシンプルに、生きていくことについて歌うことでした。

家族の存在は人生と切り離せません。ですからこの栄誉はバリーに与えられるものですが、バリーとともにロビンとモーリスとアンディのギブ兄弟もこの栄誉を受けてくれるものと思います。

バリー、あなたは間違いなく”大成功”を遂げました。

良いスピーチでした。もちろんスピーチライターがいるのでしょうが、「実はファンでして」というあたりの自然な感じは大統領の”素”かも!?

途中のデータ部分は「あ、マネージメントから出ているあの資料だな」という感じですが、(まあ、それは彼らのキャリアを語るには欠かせないですし)嬉しかったのは、すぐに売り上げやヒットの数など「商業的側面」の列挙に還元されがちな彼らの成功について、「歌詞の真実」に言及してくれたことです。引用された2曲は「ラヴ・サムバディ」と「ステイン・アライヴ」。どちらもかなりつらい歌です。でもそこにはまぎれもない生きることの輝きがあります。

バイデン大統領が「ファン」宣言をしたときに聞いていたバリーがはっとしたように笑ったのが嬉しかったです。

バリーのレッド・カーペット・インタビューや受賞スピーチについては、また後ほど。

{Bee Gees Days}

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