【1968年8月】「ビー・ジーズ全米ツアーをキャンセル」(Melody Maker紙)

全米ツアーのキャンセルを報じるMelody Maker紙1968年8月3日号

この記事はMelody Maker紙1968年8月3日号の表紙に登場しています。大見出しが上掲の「ビー・ジーズ、病気により100万ドルの全米ツアーをキャンセル」。小見出しに「ロビン・ギブ倒れる」

ビー・ジーズの100万ドルの全米ツアーがぎりぎりのところでキャンセルされた。ロビン・ギブが先週金曜日に倒れたためだ。

一行は土曜日にアメリカに飛び、今日(木曜日)アリゾナ州フェニックスでツアーを開始、明日にはハリウッド・ボウルでの大コンサートが予定されていた。100万ドルが約束されていた1ヵ月のツアーには30人編成のオーケストラの同行も予定されていた。

ロビンは金曜日に倒れた後、日曜日に「極度の精神的疲労」でリージェンツ・パーク病院に入院した。

すでにニューヨーク入りしていたマネージャーのロバート・スティグウッドは、ツアーをキャンセルし、月曜夜にロンドンに飛びかえった。ニューヨークを発つ前にスティグウッドは「どこか途中からでもツアーを開始し、キャンセルした分については後日公演ができればと思う。とにかくロビンの担当医と話すまでは何も言えない」。

ギブ兄弟作のニューシングル「獄中の手紙(I’ve Gotta Get A Message To You)」は明日金曜日発売で、10ページにはクリス・ウェルチのレビューが掲載されている。

ビー・ジーズの今後については、ヨーロッパ・ツアーと主に南アフリカで撮影予定の初の映画『Lord Kitchner’s Little Drummer Boys』が秋に予定されている。

その後、病床のロビンの写真なども公開されましたが、後になってこれは「チケットの売れ行きが悪かったためのキャンセル」だったことが明かされました。「倒れる役」がロビンにあたったのは、あの細さでは一番倒れそうに見えたからじゃないかと思いますが、どうでしょう。

この短信中にあるように、10ページには音楽評論家クリス・ウェルチの「獄中の手紙」評が掲載されていますので、近くご紹介します。事情がわかって読めば、おそらくスティグウッドが先にアメリカに行っていたのは「ツアーのキャンセルなどさまざまな手段を講じるため」だったのでしょう。それほど危険な状態のロビンが金曜日に倒れたのに、すぐに病院に搬送されず、中1日おいて入院した、というのもなんだか変。1979年に発表されたオフィシャル・バイオグラフィの中でモリー・ギブ夫人は「この仮病もロビンがグループのためにしたことのひとつだった」と語っています。

それにしても秋の予定を見ても、とてもハード。いつ倒れてもおかしくない状況はあったのかもしれません。しかし半世紀以上経って、この記事を振り返ると、映画が実現しなかったのが残念ではありますね。

{Bee Gees Days}

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