「弟たちのために歌います」(マンチェスター・イブニング・ニューズ紙)

今回のツアーは「思い出をたどる」ものだとバリーが発言している通り、ビージーズ発祥の地であるオーストラリアからスタートして、秋にはイギリスへ。9月26日にはギブ兄弟が子ども時代を過ごしたマンチェスターでの公演が予定されていますが、地元紙マンチェスター・イブニング・ニューズ(オンライン版2013年5月12日付、筆者ポール・テイラー)に掲載された関連記事を以下に簡単にまとめてご紹介します。

「弟たちのために歌います」

9月も終わろうとするころ、マンチェスター郊外にあるチョールトンの町では、白髪まじりの長い髪をした60代半ばの男性がひとり立って、三階建てのセミデタッチハウスをせつなそうに見つめていることだろう。ケッペルロードにあるこの家の地階で、11歳のバリーと8歳だったふたごのロビンとモーリスはラジオのヒットパレードに聴き入り、自分たちでも曲を書こうとしていたのだった。

記事はこんな風に始まります。先日ご紹介したバーミンガムの記事も彼らの足取りをたどる形をとっていましたが、今回のマンチェスターの記事も特にマンチェスターとの関わりを取り上げながらビージーズの歴史と最近のバリーの発言を紹介しています。

1950年代の末、三兄弟はゴーモン・シアターに足を運んだ。当時、界隈の子どもたちは映画と映画の間にステージに立って曲に合わせて口パクするというパフォーマンスを披露してもいいことになっていたのだ。ところが持っていったレコードを行く途中で割ってしまい、兄弟は生で歌うはめに。この経験を大いに楽しんだ彼らはまた別の劇場にも出演したのだが、母親は子どもたちが何を企てていたのか、マンチェスター・イブニング・ニューズ紙の芸能欄を開いて初めて知ることになる。

お母様もさぞ驚いたことでしょう。「あとはご存じの通り」というわけで、ビージーズ(当時はラトルスネークスと名乗っていました、なかなかのネーミングセンス?!)誕生の瞬間に寄与した”あの”マンチェスター・イブニング・ニューズ紙です。

今回子ども時代を過ごしたマンチェスターに帰り、思い出の場所を歩きたいというバリー。

思い出の場所です。通りに立って(昔住んでいた家を)見てみたい。

この思い出の家をバリーは25年ほど前に買って自分のものにしています。(ちなみにこの家には当時もおそらく今も住んでいる人がおり、当時の住人は女性のひとり暮らしだったので、バリーが家主として鍵を持っていたことからロビンがインタビューで「その女性が危ない!」と冗談発言をしたことがあります。その年配の女性をバリーが襲う(?!)心配はなかったと思いますが、ロビンらしいジョークでありました)

「オーストラリアに行ったときのように、また思い出をたどってみたいのです。悲しむしかない時もありますが、人生は変わり、すべては変わる。悲しみがあり、やがて認める時期がやってくる。ぼくは生きることを大切にしたいと思います」

ロビンが亡くなったことでパフォーマーとしての自分のキャリアももう終わりだと思ったことはありますか?

「この10年間、ぼくはほとんど何もせずに来ました。モーが亡くなったあと、ロビンはソロアーティストになるという本来の夢を追求していたからです。それ自体は素晴らしいことだったと思います。だからぼくとしてはロビンの邪魔にならないように距離を置いていた部分があります。けれどもこの1~2年、ぼく自身も舞台に立つことへの飢えのようなものを感じるようになりました。そこで8カ月かけて素晴らしいバンドを作り上げ、何かちゃんとやってみようと思ったんです」

 子ども時代を過ごしたマンチェスター以外にも「ビージーズの故郷」と呼ばれる場所はふたつある。生まれ故郷であるマン島、一家そろって移住してレコードデビューを果たしたオーストラリアだ。「どの場所も」故郷だと語るバリーには「第二の故郷」と呼ぶ場所もある。長いあいだ居を定めてきたマイアミである。

「1973年のぼくたちはそのまま消えてしまいそうなところだったのですが、マイアミに行ってレコーディングしようということになって『メインコース』が生まれたんです」

消えてしまいそうだった?

「1970年から1071年にかけては、一般にグループの寿命は5年ぐらいと考えられていましたし、ぼくたちもそんな印象を持っていました」

もちろん5年寿命説など吹き飛ばすその後の活躍だが、ではソングライターとして多作さでも知られるバリーが自分の最高傑作だと思っている曲は何?

「幸い、気に入っている曲はたくさんあります。”How Deep Is Your Love”が好きですね。それに”How Can You Mend A Broken Heart”かな。心に触れる曲がいい。"Emotion" "To Love Somebody"とか、「ぼくたち(わたしたち)が人を好きになったときに流れていた曲です」と人に言ってもらえた曲です。

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