ロビン・ギブ: 思い出
さようならなんて言いません。またきっと会いましょう。
思い出は数多く、胸が詰まります。電話で話していたときに、急に「実はこの電話、トイレでとっちゃったんだよね。これからちょっとうるさいけど我慢してね」と言って、いきなりトイレの水を流したロビン。独特のユーモアの持ち主でした。
シャイでちょっぴり意地悪で、ずっとだまっていても平気だけど、話し出すと止まらない。歴史の話、読んでいる本の話…2005年の来日時にはモーツアルトの伝記を読んでいるって言っていましたっけ。ロンドンのタウンハウスには古いディッケンズの本がどっさり並んでいて、イギリスの文化が大好きだと言っていたロビン。歴史の話になると得意そうに顔を輝かせながら豊富な知識を延々と披露してくれました。
規則正しい日課人間で、決めたことは守り抜く頑固者だけれど、心の中心に”子ども”がどっかりと残っていて、自分が嘘をつけない性格だけに人が嘘をついていても気づかなくて、俗世で生きていくのに苦労が多い人だった。それが結果的に彼の寿命を縮めたのではないかと思うと、とてもとても残念です。穏やかな良い環境の中で楽しくいつまでも大好きな仕事をさせてあげたかった。
モーリスを失ったあなたがどれほどの苦しみに耐えていたのか、いままたあなたを失った私たちはこれからその苦しみに耐えて、あなたに負けない強さを示さなくてはなりませんね。でもこんなに辛い。あなたのいなくなった世の中はどうしてこんなに虚ろなのでしょうか。
でも本当にあなたはいなくなったのかな。モーリスのことであなたが言っていたように、ちょっと長い旅行に出ているだけ? きっと帰ってきてくれるんですよね。そうだ! 私、あなたにお金を貸してました。細かいのが足りないといって立て替えた分、必ず返しに来てくださいね。きっと、近いうちにですよ!
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