【2014年6月】バリー・ギブのハリウッド・ボウル公演レポート
2014年6月4日、バリー・ギブはミソロジー・ツアー(アメリカ)最後の会場となったロサンジェルスのハリウッド・ボウルでコンサートを行いました。既報の通り、日本からもたくさんのファンが太平洋を飛び越えて応援にかけつけました。
そんなファンの方のひとりが、思い出に残るコンサートについて臨場感あふれるレポートを書いてくださいましたのでご紹介いたします。
ロサンゼルス・ライヴ体験記 (バリー・ギブ・ハリウッド・ボウル・ライヴ―2014年6月4日)
2013年のシドニー・コンサートから一年経ったころ、アメリカ・ツアーが始まると知り、再び節約生活に入りました。万年金欠の私ですが、バリーに会えるのならどんな事でも頑張れます。
近くで本物のバリーを見たい!
バリーに見てほしい! 出来ることなら握手して欲しい! 一つでも叶ったら失神してしまうかも、などと妄想しつつ、長い5ヵ月が過ぎました。
いざ、ロサンゼルスへ、、、。
会場のハリウッド・ボウル入口に、
出演予定のアーティストの電光掲示板があり、たった5秒で変わってしまうので、納得出来るショットがなかなか撮れず、撮影に15分かかりました。これって、冷静に客観的に見たらすごくクレイジーに見えるのかナ…という思いがよぎりましたが、これから生のバリーに会うのかと思うと、興奮がおさまりませんでした。
雲の上を歩いているような、フワフワした気分で周りを見渡すと、様々な国の幅広い年令のファンがたくさんいました。みんな私と同じ長年のビージーズ・ファン、と考えるだけで、親近感を勝手に持ってしまいました。とうとう会場入り。席は最前列のど真ん中。めちゃくちゃラッキーでした!!
バリーの登場!!
周りの物凄い大歓声に負けじと、私もバリー!!と絶叫し、持参したユニオンジャックの垂れ幕(シドニーの時作ったものをバージョンアップした)をバリーに向けました。するとバリーが笑顔で指をさしてくれるではありませんか!! 夢? 感激のあまり泣きそうになりました(まだ1曲も歌ってないのに!)
垂れ幕にJAPANという文字か、日の丸を入れれば良かった!と後悔しました。
バリーが軽快にギターを弾き始め「ジャイヴ・トーキン」からスタート。私は物凄い興奮状態で手拍子しながらバリーを見つめ、「そうそう、これこれ、バリーのこのリズムの取り方がめちゃくちゃカッコいいんだよなぁ、と思いながら手先など細部まで凝視しました。
そしてとにかくバリーをカメラにたくさん収めたくて、必死に写真を撮りまくりました。
「ロンリーデイズ」では、歌い出しからin your way~のところで、私がおもいっきり両腕を突きだして、バリー!と手を振ると、バリーは気付いて笑顔で右手の指をチラチラっとさせて返してくれました!
嬉し過ぎて自分でも聞いたことの無いような声で絶叫していました。
バリーの力強い歌声に圧倒されながら、自分も力強い手拍子でこの曲を存分に楽しみました。生で見る本物のバリーの素晴らしさと言ったら、どう表現していいのかわかりません。私にとっては神のような存在!! まだコンサートは始まったばかりなのに、気付くと私は汗だくで、羽織っていたジャケットを急いで脱ぎました。
アンディの曲「(Our Love)Don’t Throw It All Away」では、これから先は落ち着いてじっくり聴かなきゃ!とカメラを置きバリーに見とれていました。すると何とバリーと目が合い、瞳に吸い込まれそうになりました。もう最高に幸せです。
「トゥ・ラヴ・サムバディ」では、前奏が始まった瞬間、ニヤつきながら姿勢を正し、全神経をバリーに集中しました。
バリーは心を込めてとても丁寧に歌っているように見えました。
最後のトゥ・ラヴ・サムバディ~、の後のお決まりの溜めまであとわずかという時、会場の誰かがフェイントで、かなり迫力のある遠吠えのような声で、「ギャーー!」と叫び、その声にバリーも会場も大爆笑!
その後バリーは立て直して熱唱しました。曲が終わり拍手喝采の時、バリーはマイクには入らない程度の大きさの声でもう一度、「the way I love you」と目を閉じて歌っていました。その姿に更に感動しました。
「傷心の日々」では、サマンサとのデュエット。サマンサはシドニーの時の長い髪をバッサリ切って、キリッとした顔でステージに登場。
サマンサはデュエットの間、バリーから目を離すことなくじっとバリーを見つめ、魅力的な声と素晴らしい歌唱力で堂々と歌い上げました。
そして歌い終えてからバリーとしっかりハグを交わし、ステージから去って行きました。
シドニーの時はハグはありませんでした。
シドニー・ライヴでの「傷心の日々」に比べ、私はサマンサから悲しみの中にも力強さを感じました。
私が観たシドニー・ライヴはミソロジー・ツアーの初日で今回のロサンゼルスは最終日。
1年の間、バリーと一緒に歌いステージを重ねることで、少しずつ悲しみを癒していったのでしょうか。
「ステイン・アライヴ」では前奏から会場が凄い盛上がりで、私も半狂乱状態。バリーのファルセットは今も変わらず本当に素晴らしかったです。
続けて「愛はきらめきの中に」。シドニーでこの曲がかかった瞬間、涙が止まらなかった事を思い出しました。この曲を歌うバリーを見た時、私には何故か50代の頃のバリーのように見えました。穏やかで優しい笑顔からそう見えたのでしょうか。
「オン・タイム」では、スティーヴンのセクシーで力強く迫力のある声が曲にぴったり合っていて、なるほど、スティーヴンはこういう曲が合うんだなぁと感心しました。元々大好きな曲ですがスティーヴ・ヴァージョンも新鮮でとても良かったです。
その後バリーとスティーヴンで「獄中の手紙」。
バリーは椅子に座りギターを弾きながら、時おりスティーヴンの方を見ながら嬉しそうな表情で歌っていました。
お父さんの表情だなぁと、微笑ましくなりました。歌い終わるとバリーが笑顔でうんうんと頷き、余韻に浸っているように見えました。
今回、スティーブンとサマンサとの共演を観て、バリーは子供達からからすれば偉大な父であり、師匠なのでしょうけど、そのバリーを支えているのは、正しく子供達なんだなぁ、と感じました。
ロビン、モーリスも、バリーを支えてくれてありがとう、と思いながらこのコンサートを観ているんだろうな、と思いました。
私はスティーブン、サマンサが歌う姿に、失礼ながら子供達を見守っている親戚のような気持ちになりました。
命と命が受け継がれて行くんですね。
そして、バリーが「ジョーク」を歌い始め、途中スクリーンにはロビンが歌う映像に、、、。
会場が一瞬どよめき、大歓声と拍手が鳴り響きました。
私はロビンとモーリスを失って以来、まだ映像を見ると涙が出てしまう、そんな状態です。
私達の為に歌ってくれるバリーが、どれだけ辛く苦しい思いを越えて来たのか、それを考えると涙が止まりませんでした。
次に私の大好きな曲「One」では、お決まりの振り付けをバリーに向かってポーズしながら楽しんでいました。
この振りをライヴで一緒に出来たら最高だろうなぁ、とずっと思っていたのですが、最後の方のoneのところで、何とバリーが私に向かって、マイクスタンドの前で指をクロスさせ、「one~one」をしてくれたのです!!
これは妄想でもなく、勘違いでもなく、良い席にいる特権?!
感激でとんでもない表情を私がしていたため、バリーが気付いてくれたのかも知れません(笑)
私の大好きな曲、「ラン トゥ ミー」「スピリッツ ハヴィング フロウン」「ナイツ オン ブロードウェイ」、これらの曲が今回のライブで聴けるなんて思っても見なかったので、とても嬉しかったです。
「スピリッツ ハヴィング フロウン」では、間奏でバリーが後ろ向きになり、スクリーンに映し出された影像
(始めは雲、その後79年のツアーの飛行機)に向かって、両腕をつばさのように広げ、飛行機?(鳥?)のように飛んでいる姿が、めちゃくちゃお茶目で素敵なバリーでした。
終盤、「グリース」の曲が終わると、会場の大歓声が止まず、バリー!バリー!の連呼に、バリーは下を向いて涙しているように見えました。
その姿にもちろん私も泣きました。
「イモータリティ」でも再び涙が、、、。
シドニーの時も「ジョーク」と「イモータリティ」で号泣しました。
大歓声の中、バリーがステージの端からファンと握手を始めたので、もちろん私もステージへ行き、手をおもいっきり伸ばしました。私の前に機材があり、握手出来ないかもと思っていたら、私の隣の人と握手しながらも、3本の指で私の手を握ってくれたのでした。さらに感激&ほぼ呆然、無の境地です。
アンコールで再びバリーが登場。
バリーが前列のファンから、花束を受け取りました。私もチャンス!と思いステージに駆け寄り(駆け寄れるところがビージーズの寛容さでスゴイですよね)プレゼントを差し出して、しつこくバリーを呼んでいました。バリーは一度マイクに戻りましたが、私に気付いて、私を指さして、「I LOVE THE GIRL!」と言って、笑顔でプレゼントを受け取ってくれたのです! 近くにいたカメラマンさんも、私を見て、笑顔で頷いてくれました。「良かったね!」と思ってくれたのかも知れません。
実はその場で私はかなり舞い上がっていたので、バリーが指をさしてくれたことも全く気づかず、I LOVE~と聞こえたような気がしたけど、まさかぁ、空耳だろうなぁ、と思いました。
後で確認してそのことが分かり、感動して泣きました。もし私がその場で気付いていたら、アドレナリンは更に倍増し、瞳孔は開きっぱなしで、「I LOVE YOU TOO!!」と言ったのに!! でも、泣いて、絶叫して、飛び上がってを同時にしたかも知れないので、どちらにしても言えなかったかな、、、。
夢のような状況の中、絶叫したり、泣いたり笑ったり。
「ワーズ」では、とうとうこれが最後の曲かぁ…と思っていたところイントロが! まだ歌ってくれるんだ!しかもこのイントロは、大好きな「トラジディ」だ! 予想外の曲に驚いて、目を見開いて口をあんぐりあけたまま、のけ反ってしまいました。
するとバリーも口を開けて、目を見開いて、私を見て笑っていました。今冷静に考えたら、よっぽど私がおかしかったのかも知れませんが、そんな私に、同じポーズで答えてくれたバリーの優しさに、失神寸前でした。
コンサート後は、ホテルですぐに体を休めるつもりが、ホテルのカフェバーから大音量でビージーズの曲が聞こえてきて、店内を覗くとコンサート帰りのファンで溢れていました。
barは満席で、皆さんライヴで完全燃焼して、目を閉じて笑顔で余韻に浸りながら飲んでいる、そんな感じでした。
「ビージーズバーだ!!」と喜び、これは飲んで帰るしかない!と中に入ると、タイミングよく「TOKYO NIGHTS」がかかり、皆でワインで乾杯しました。
素晴らしい時間はあっという間でしたが、こんなにもバリーを近くに感じることが出来て、もう思い残すことは何もない、という感じです。
バリー、素晴らしいコンサートありがとうございました。
体力的にも大変だったと思います。
やっぱりビージーズは永遠です。
一生分の愛をいただきました!!
帰国した今、なぜビージーズは世界中の人々からこんなにも長い間愛され続けるのか、私が思ったことは、ビージーズの人間としての素晴らしさが、ファンである私達に、じんわり染み込んでくるところ、心の深ーいところにある、何か普遍的なものに語りかけてくるビージーズの曲。
人種や国、時代に関係なく愛され続けるって本当に凄いです。
これからも、コンサートを思い出しつつ、一人笑いながら(周りに気持ち悪がられないように)牛のように、感動を反すうし続けると思います。
帰りの機内、ファンの友人と余韻に浸りながら、10時間喋り通したのでした(笑)。
- HAZUKI
HAZUKIさん、あふれる愛情、それに感動がほとばしるようなコンサート・レポート、本当にありがとうございました。トップの写真は文中にあるようにHAZUKIさんに向かってOneのポーズをとるバリーの「決定的瞬間」! こんなに熱烈なファンがステージの前で全身全霊をこめて聴いている・見ている姿はバリーにとってもきっと元気と幸せのもとになったのだろうなあと思います。ミソロジー・ツアーのあとはツアーをしていないバリーですが、中止になったとはいえ、2017年初頭にはIn The Nowツアーも企画されていました。また元気に、いつまでも変わらない笑顔とともに、日本のステージにも立ってほしいですね。
{Bee Gees Days}
© 2009 - 2024 Bee Gees Days. 当サイト記事の引用・転載にあたっては出典(リンク)を記載してください。