【2014年5月ミソロジー・ツアー開始】バリー・ギブinボストン(コンサート評)
ブルース・スプリングスティーンの”I’m On Fire”を歌うバリー(2014年5月15日)
いよいよ始まったミソロジーツアーのアメリカの章。2014年5月15日(現地時間)にバリーがボストンのTDガーデンでコンサートを行いました。セットリストは次の通りです。
1 Jive Talkin’
2. You Should Be Dancing
3. Lonely Days
4. Our Love (Don’t Throw It All Away)
5. To Love Somebody
6. How Can You Mend A Broken Heart?
7. Stayin’ Alive
8. How Deep Is Your Love
9. On Time
10. I’ve Gotta Get A Message To You
11. In The Morning
12. New York Mining Disaster 1941
13. Run To Me
14. I’m On Fire (ブルース・スプリングスティーンのカバー)
15. Spirits (Having Flown)
16. You Win Again
17. With the Sun In My Eyes
18. I Started A Joke
19. Spicks and Specks
20. Chain Reaction
21. One
22. Islands In The Stream
23. Guilty
24. Woman In Love
25. Too Much Heaven
26. Nights On Broadway
27. Night Fever/ More Than A Woman
28. Grease
29. Immortality
30. Massachusetts
(Encore)
31. Ordinary Lives
32. Words
33. Tragedy
先日バリーのインタビューが掲載された(近くご紹介します)ボストングローブ紙に早速5月16日朝付けで「TDガーデンを埋めた観客を感動させたバリー・ギブ」と題する絶賛の評が寄せられましたので、以下に内容をざっとまとめてご紹介します。
嬉しくてたまらないと同時に悲しくてたまらない、こんな感情をどう表現したらいいのだろう。バリー・ギブのボストン公演はまさにそんな感じだった。バリーは今にも泣きそうに見える瞬間もあれば、「ブロードウェイの夜」を歌ったときのように輝く笑顔で月の光のように会場を照らし出しても見せた。
高揚の瞬間と輝かしい思い出を通して、感じずにはいられなかったのがバリーの亡くなった弟たちの存在である。バリーはソロでも曲を発表しているし、ロビンとモーリス抜きの活動もしてきた。それでも特に1960年代と70年代を通じてポップカルチャーの中に大きな足跡を残したのはビージーズとしての活動だ。モーリスは2003年に、ロビンは2012年に亡くなった。バリーはふたりに捧げる曲を歌い、コンサート中にロビンのビデオを使って悲しみに満ちた「ジョーク」を歌いもした。バリーにとっても観客にとっても、涙を超えた慰めになってくれた体験だ。
豊かに波打っていた髪も時の流れの影響を受け、あのタイトな白いスーツはもう入らないだろうが、芳醇なファルセットは健在だった。「Stayin’ Alive」「Night Fever」「Grease」、見事なファルセットだった。2時間半のコンサートのセットリストはどんなにうるさいファンにも文句のつけようがない内容だったし、こうした大ヒットがケーキを飾るデコレーションのようにきらきらと散りばめられてもいた。
『サタデー・ナイト・フィーバー』時代の曲は会場のTDガーデンを7,000人が踊る巨大なディスコに変えてしまったけれど、コンサートの根幹を成したともいえたのは60年代の曲である。「ニューヨーク炭鉱の悲劇」と「ワーズ」はバリーの声同様、少しも衰えぬ輝きを放っていた。「ニューヨーク炭鉱」のあと拍手は5分間近くも鳴りやまなかった。自分の作品がまだそれほど愛されていることに驚いたかのように、バリーは目に見えて感動した様子だった。
あまりにも聞きなれた曲の数々だったが、生で聴けたのは素晴らしい。「ギルティ」「ユー・ウィン・アゲイン」「愛はきらめきの中に」、おなじみのタイトルが次から次に出てきた。すべてが過剰でキッチュだった1970年代のダンスパーティの再現なんかじゃない。50年にもおよぶ曲作りの名人芸を讃え、チャートに君臨した3兄弟を讃える、そんな素晴らしいコンサートだった。
{Bee Gees Days}
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