初シングルを発売したBee Gees第二世代のアーティストThe Ghost Twins(サマンサ&スペンサー・ギブ)ロング・インタビュー

ビー・ジーズ第二世代のふたごたちーサマンサ&スペンサー・ギブのユニットThe Ghost Twinsのシングル「A Little Bit」が発売されました

本日(10月2日)発売 —— 現在、アマゾン(購入リンクはこちら)(250円!)、Spotify等で購入できます。父親世代の音楽への情熱を継承して前進し続けるふたりを日本からも応援したいですね!

そんなサマンサ&スペンサー・ギブのふたりとのロング・インタビューを実施しました。(この他にも質問を寄せてくださった方がいらっしゃったのですが、タイミング的に間に合わず、またなるべく早く次のインタビューを実現したいと思います)

ふたりとも「えー、あの人のファンだったんだ~!」というような意外な事実が判明したり、とても楽しいインタビューになりました。質問にはだいたいがふたり一緒に答えてくれましたが、質問の内容によってはそれぞれ別々に答えてくれたものもあります。

BGD 最初のいくつかの質問については、あちこちで同じようなことを訊かれているんじゃないかと思うのですが、え~、まず、一緒に仕事をして楽しかったのはどんな点ですか?

サマンサ&スペンサー 正直いって、思った以上にうまくいきました。何年も前からずっと、いつか一緒にやりたいね、みたいな話はしていたんですが、なかなかスケジュールが合わなくて。で、実際に一緒に曲を書き始めたら、ほんとにすらすらっという感じに進んで。それに声がすごくぴったり合って、ちょっと気味が悪いぐらいでした。そう、もちろん遺伝的な要素もあるわけですけれど、とにかく最初からびっくりするぐらいぴったり合ってたんです。なんというか、ひとりが何か言いかけるともうひとりがそれを引き取って文章を完結させる、みたいな感じでした。

どうしてThe Ghost Twinsというユニット名にしたのですか? 当然、おふたりのお父さんたち(ロビン&モーリス・ギブ)がふたごだったというのはあると思うのですが、どうしてこの名前にしたのかを教えてください。

サマンサ これはスペンサーに答えてもらいますね。
スペンサー 実はですね、ぼく、ファイヴ・ウィークス(Five Weeks)というめちゃくちゃ才能のあるデュオと仕事をしていたんですが、彼らに「ゴースト(Ghosts)」という曲があったんです。で、ふたりは(別にふたごではなかったんですが)同じ日に生まれていたので、ぼくは、「それだったらゴースト・ツインズっていう名前にしたらどうだい?」って言ってたんですよ。結局、ふたりをその気にはできなかったんですが、サムと一緒のユニットの名前を決めているときに、一緒に仕事をしていた友だちに、「だったら君たちがThe Ghost Twinsになれば? まさにぴったりじゃない!」って言われて。で、もちろん、親父たちがふたごだったというのも大きかったです。で、名前が決まるころには、もう自分たちがこんなに合ってるのってなんだか気味が悪いぐらいだよね、って話になってたんで。だからお互いにすごく通じあっているということもあって「ゴースト」ってつけました。それからふたりとも父親を亡くしているという点も考えずにはいられませんでした。ほんとに理由があって起こることってあるんですね!

これから発表されるEPにはどんな曲が入っているのですか?

サマンサ&スペンサー 全部で3曲。けっこう秘密めかしてきたんですが、ここまで来たらタイトルだけはお教えしますね。最初のシングルは「ア・リトル・ビット(A Little Bit)」。あとの2曲は「This Town」と「Find Your Way」です。

いずれはアルバムを出す予定がありますか?

スペンサー 出すかもしれないし、出さないかもしれません。もちろん、コロナのこともあるのですが、 業界の現状はこの病気が流行る前からシングルとEPが主流になってきていました。アルバム1枚を出すよりEPをたくさん出す方がずっとてっとり早かったりするんです。

サマンサ いずれきちんとアルバム一枚分を出したいとはふたりとも思っているのですが、スペンサーが言ったみたいに、現状では、シングルとEPの方が効率がいいんです。

おふたりがオハイオ州ショーニーのテカムシ劇場を訪れている写真が発表されましたが、もしコロナ禍がなかったら、あそこや他の会場でのライブを考えていましたか? つまり、いずれおふたりでのツアーを期待してもいいか、ということなんですが。

サマンサ&スペンサー あの劇場は今はすっかりボロボロになっていて現状では危険なので、あそこで公演するのは(残念ながら)無理なんですが、いずれにせよ、答えはイエス、時期が来ればライヴをします。現在の状況下ではオンラインでのパフォーマンスも考えています。

また、ギブ・コレクティヴの他のメンバーやフォックス兄弟(チェイス・ザ・ジャガー)との共演も考えていますか?

サマンサ&スペンサー もちろん、いろいろな可能性に対してオープンではありますが、今のところはふたりでやることに集中しているのも確かです。

お互いの、そしておふたりのお父さんの、一番古い思い出はどんなものですか?

スペンサー 父の一番古い思い出は、書いた曲を聴かせてもらったことです。「ブロードウェイの夜」を聴かせてくれた時のことは昨日のことのように思い出せます。モーリスの一番古い思い出は、一緒にちょっと乱暴な感じで遊んでたら、モーリスがちょっとあせって、背中が痛がったことです。あとで手術が必要だったことがわかりました。でもモーリスはいつもやさしかったです。サムとは、ちょっと年齢が離れているし、ぼくの方は両親が離婚したこともあって、お互いに違う街に住んでいたので、子どものころはあまり交流がありませんでした。

15~16歳のころにモーリスと一緒に仕事をしたのを覚えています。で、モーリスの家に行くと、すごいボリュームでくるくるの金髪をしたちっちゃな女の子がいたんですね~。もっとあとでお互いがティーンエージャーになってから仲良くなりました。よく覚えているのは、ぼくはサマンサの友だちみんなに熱をあげちゃったことかな。

サマンサ わたしにとって父との一番古い思い出は、ベッドの中で父に「Tears on My Pillow」を歌ってきかせていたことです。母と父によれば、そのときに父はわたしが歌えるって気づいたんだとか。ロビン伯父さんについては、一度伯父さんと他の何人かと一緒にエレベーターに乗ってたことがありました。伯父さんはすごく物静かだったんですけど、突然すごーくおかしい(で、たぶん下品な)ジョークを飛ばしたんです。どんなジョークかは忘れてしまったんですが、とにかくあんなに笑ったことはありませんでした。
スペンサーと知り合ったのはもっと後です。友だちも一緒に同じ部屋にいたら、「ねえ、あのブロンドの長髪の人は誰?」みたいに、友だちみんながそわそわしちゃって。だから、「あれ、わたしの従兄よ」みたいなことを言ったら、みんな、もう紹介して、してって、たーいへん。

子ども時代、そして大人になってからのお互いのイメージはどんなものですか?

スペンサー さっきの答えにもあったみたいに、子どものときはそんなによく知らなかったんです。仲良しになったのはティーンエージャーになってからです。人生経験が増えたことを別にすれば、当時からサムはあまり変わってないと思います。いつだって、才能があって、やる気があって、そのときしている仕事に一生懸命になっている、そんな人です。家族を大切にする人で、それはサマンサ自身が家庭を持った今になって、いっそうはっきり感じられます。あと、明るくて、活発で、ずけずけしてる。ずけずけしている点ではぼく以上かも(そんなことが可能なら、ですけど)。だけど、そんなところをすごく尊敬しています。

サマンサ スペンサーについて言えるのは、すごい努力家で、頑固者で、やる気があって、熱い心を持っているということです。わたしたち、価値観が同じなんです。大人になってからは、お互いの関係を通して、より賢い、良い人間になれたし、いっそう親しくなれたと思います。

おふたりのお父さんたちは、よくビー・ジーズについて、「兄弟ひとりひとりが違う意味で貢献していた」と言っていました。声も性格もそれぞれ独特なのに、似ているところもあった。ザ・ゴースト・ツインズでは、それぞれがどんな面で貢献していると思いますか?

サマンサ&スペンサー そう、ビー・ジーズが特別な存在だったのは、各人が自分の声を持ちながら、必要とあればお互いに似た声でも歌えたという点です。ザ・ゴースト・ツインズでもそれに似た部分があります。それぞれが独特な声を持っているけれど、同時にごく自然に滑らかに溶け合うことができる。曲の中にまるでひとりの人間が歌っているように聞こえる箇所もあれば、お互いに真似しあったりしている箇所もあります。

こういうデュエットを組みたいなと思い始めたのはいつでしょう? (たとえば、ジミー・ファロンに訴えるビデオで一緒に歌っていましたが、あのときにすごく声が合ってるなあという印象を持ったのですが)

サマンサ&スペンサー ジミー・ファロンのビデオは良い例ですね。あれもごく自然にああなったんです。まず、ふたりのハーモニーがぴったりはまるということ。それから、あれはふたりとも聴いて育った曲だったので、お互いに知り尽くしていた、というのもあると思います。で、たしかにあの辺が大きなターニングポイントで、ああ、ふたり一緒はいいなと思い始めたんです。数か月後には一緒に曲を書き始めていました。

ひとりの人間として、あるいはアーティストとして、もっとも影響を受けた曲、映画、本、アーティスト、作家があれば教えてください。

スペンサー ジョニ・ミッチェルのアルバム『ブルー』がぼくの人生を変えました。あのアルバムを聴いて、歌は絵でもありえるのだと知りました。他にも影響を受けたアルバムはたくさんあるのですが。映画をこれ一本と選ぶことはできませんが、マーティン・スコセッシとスパイク・リー(そのほかにもいーっぱい)からは映画とは何かについて、たしかに影響されました。ふたりとも比喩的(かつ文字通り)の意味で現在にも通じるアメリカにおける少数派の経験を描いています。作家ではカフカかなあ。カフカからは(ジョニ・ミッチェルと同じで)独創的に考えることを学びました。それに宮本武蔵の名前もあげておきたいです。『五輪書』はぼくの人生を変えた本です。アーティストも同じです。ヴァン・ゴッホとか。同時代には評価されず、無一文で亡くなりながら、20世紀を代表するスタイルを創り上げていますよね。

 サマンサ わたしは曲ではキャット・スティーヴンスの「ザ・ウィンド」。映画はとにかく『スペースボール』。本ではヘルマン・ヘッセの『シッダールタ』が好き。それからトム・シャドヤックの『恐れと真実の対話 生命の取扱説明書』も好きです。好きなアーティストは私の息子。日々、影響を受けています。

あなたは「太陽の人」それとも「月の人」?

スペンサー 絶対に月の人。暗いから。

サマンサ その日によって変わります。

あなたは犬派、それとも猫派?

スペンサー 犬派。4匹飼っています。それに猫アレルギーです。

サマンサ わたしは典型的な犬派だけど、猫の自立したところも好き。

一緒に曲作りをするとき、メロディ先行ですか、それとも歌詞先行?

スペンサー 正直、曲によるな。ふたりともころころ変わります。たとえば、とにかく何をしても「気味悪い」ぐらいすんなりいくという話がさっき出ましたが、今回第一弾シングルの「A Little Bit」を書いているときに、3曲目も書こうとして苦労していたんです。サマンサはこっちの部屋で、スペンサーはあっちの部屋で、っていう感じでそれぞれの考えをまとめていた。あとで、いちばん良いアイディアを一緒に選んで、そこから展開していこう、というつもりだったんです。ところが、いざ話し合ってみたら、なんとふたりとも全く同じコード進行を思いついていたんです! で、それをひとつにまとめました。あれは良かった。

サマンサ ほんとね。

これまでのキャリア、あるいは今回のプロジェクトで書いたフレーズや歌詞で、我ながらいちばん誇らしく思っているのはどれですか?

スペンサー あ~、これは難しい質問だな。たくさんありますね。ぼくは、発想のもとが具体的なものであっても、だいたい隠喩を使って書きます。現時点でいえば、ぼくはザ・ゴースト・ツインズの仕事を一番誇らしく思っていると言えます。サムとぼくとで曲の内容について気持ちの面でつながりあえたと思うからです。ソロではこれはなかなかできない、だからこそデュオなんです!

サマンサ 今のところ、今回のEPを一番誇らしく思っています。書いた当時から、現時点まで、この1年で大きな変化がありましたが、曲の持つ意味は失われませんでした。それをすごく誇りに思っています。フレーズに関していえば、曲のタイトルが気にいっていますが、特定の歌詞という意味では、「This Town」という曲の「状況が変わってもあなたはやっぱりあなた?」というのが気にいっています。

ビー・ジーズ(各メンバーのソロを含みます)の曲で、いつかカバーしてみたい曲はありますか?

サマンサ&スペンサー もちろん、知っての通り、好きなビー・ジーズの曲はあります。これも知っての通り、ふたりともソロとしても(その後Gibb Collectiveのメンバーとしても)ビー・ジーズの曲をカバーしています。今のところはビー・ジーズのカバーをやる予定はありませんが、ライヴをやれるようになったら何か入れたいね(メドレーとか)と、話しています。

一緒に仕事をしてみて、良かった点、悪かった点を教えてください。

サマンサ&スペンサー 良かったのは、とにかく気味が悪いくらいすらすらできちゃったこと。悪かったのは、別の街に住んでいる点。これはコロナ以前から、そうでした。もっと一緒にいられたら、もっとたくさん曲ができたと思います。でもだいじょうぶ、これからも努力し続けます!

現在の特殊な状況下で、物理的には離れた状態で一緒に仕事をすることのメリット、デメリットは何でしたか?

サマンサ これはプロダクションがらみの答えになるので、スペンサーに答えてもらいますね。

スペンサー 幸い、こんな状況なのにレコードの方はほとんど出来上がっています。以前にも遠距離で共同作業をしたことがありますしね。ただ、ミキシングがちょっと難しい。ぼくがミキシングをして、ミックスしたものをサムと共有していたんですが、コロナのせいでオースティンにあるぼくのスタジオを閉めなくてはならなくなって。ほぼ仕上がった作品をフロリダにあるM.E.G.プロダクション・スタジオのラズ・ロドリゲスに送って、クリーンにしてもらいました。さらに、オンライン作業でサマンサと一緒に手を入れました。それからファイルを戻してもらって、そこにまたぼくが手を入れました。その上でニューヨーク市のザ・ロッジのエミリー・ラザーに送ってマスターしてもらいました。ちゃんと立ち会ってのマスタリング・セッションをしない、というのは変な感じでしたが、エミリーとは前にも一緒に仕事をしたことがあったので、その経験が役立ちました。結果的にはまあ良い出来じゃないかと思います。いろいろあったせいで、かえってよくなっているかも!

映画『小さな恋のメロディ』(1971年)を観たことがあったら、感想を教えてください。当時、日本では大ヒットして、「メロディ・フェア」と「イン・ザ・モーニング」はシングルとして発売されました。

サマンサ&スペンサー ずっと以前に観たきりですが、好きだったのは覚えています。ふたりともジャック・ワイルドの大ファンで、子どものころは『怪獣島(H.R.Pufnstuf)』が大好きだったんです。ジャックの冥福をお祈りします。

ニックネームはありますか?

サマンサ&スペンサー お互いにいつも「サム」と「スペンク」と呼び合っています。もうちょっと意地悪な呼び方があればなあと、ふたりとも内心では思ってると思うのですが、残念ながらないんです(笑)。

あなたにとって理想の休日とは?

スペンサー オースティンに住んでいるのでビーチが恋しいです。あと、SNSとか電話がない休日。

サマンサ 家族と過ごす電話のない休日。

シングルのアートワークが発表されましたが、どういうコンセプトが背景にあるのですか?

サマンサ&スペンサー 今回発表したのはシングル「A Little Bit」だけのアートワークです。当時、自粛中だった友だちが暮らしの様子を取った写真が発想のきっかけです。シングルの歌詞にもあっているなあと思いました。EPのアートについては、とても素晴らしいアーティスト、ジェシー・クレイトンと組んで作業中です。今のところ言えるのはそれだけです!

Interview by BGD

スペンサーは猫アレルギーだったんですね~。年齢的にもふたりがジャック・ワイルド・ファンだったのは少し意外でしたがうれしかったです。(スペンサーは1972年生まれ、サマンサは1980年生まれです)サマンサがキャット・スティーヴンスの「ザ・ウィンド」が好きだというのは納得でした。それにしても、ふたりとも電話には悩まされている様子がうかがえます。ロビンが「携帯がなるとビクッとしちゃう」とこぼしていたのを思い出しました。

とても中身の濃いインタビューになりました。ありがとう、サマンサ&スペンサー! 次回があれば「バリー伯父さん」のことも訊いてみたいですね。

このインタビューや「A Little Bit」についての感想などがあれば、本サイトのコンタクト欄やTwitter等から教えてください。

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