【デイリー・メール紙2021.1.8】「これぞ新年の元気づけに欲しかった一枚」-アルバムレビュー『グリーンフィールズ:ザ・ギブ・ブラザーズ・ソングブック Vol. 1』

イギリスのデイリー・メール紙(オンライン版2021年1月8日付)に全世界一斉発売となったバリーの新作『グリーンフィールズ:ザ・ギブ・ブラザーズ・ソングブック Vol. 1』のアルバム・レビューが掲載されました。

評定:★★★★★
一言でいうと: おなじみの名曲をカントリー風に

エルビス・コステロが言ったことがある。名曲というのは 、アコースティック・ギターの弾き語り、華やかなオーケストラを加えたアレンジなど、どんな風にも歌っても良いというだけの頑強さを備えていなくてはならない、と。

バリー・ギブもこの考えに賛成らしい。「ぼくたちが育った世界は今とは違っていた。当時はジャンルなんてものがなかった」

バリーは新作『グリーンフィールズ』でこの考えを実践し、ビー・ジーズで歌った名曲の一部を大物歌手とカントリー風にデュエットしてみせている。このアルバムは名プロデューサー、デイヴ・コブを起用し、錚々たるゲスト陣を迎えてナッシュヴィルで製作された。

このプロジェクトがこれほど心地よいということが、もともとはメロドラマチックなポップス・ナンバーだったり、フロアをにぎわせた激しいダンス曲だったりした数々のヒット曲が息の長い魅力を持っていることの証である。単に有名どころを何人かそろえたとか、スティールギターを加えたとかいう話ではない。サザン・ポップ、カントリー・ソウル、ブルーグラス、アメリカーナなど、さまざまな要素が入っている。

2021年初の大物リリースであるこのアルバムは、また、バリーと一緒にビー・ジーズを構成していたふたりの弟たちへのトリビュートでもある。ふたごのモーリスとロビンは、それぞれ2003年と2012年に世を去っているが、ふたりはここに収められた多くの曲の共作者なのだから、このレコードの副題が『ザ・ギブ・ブラザーズ・ソングブック Vol.1』というのももっともなのだ。

74歳になったバリーの震えるような声は、おそらく、健康的なライフスタイルのためか、いまだに健在だし、バリーがゲストたちに及ぼした影響も歴然としている。暗く悲しい歌詞にこめられた思いのすべてをぎりぎりまで絞り出して、全力疾走するもの。あるいは曲本来の力に任せるもの。どちらのアプローチにもそれぞれのメリットがある。

キース・アーバンを配した華々しい「獄中の手紙」のバージョンは前者。刑の執行を目前にした囚人の最後の願いを歌うこの曲は、もともとはR&Bのスター、パーシー・スレッジを念頭に書かれたが、今回の新解釈には強烈なカントリー・ソウル感がある。

アメリカのソウル界のレジェンドのために書かれた曲もまた、パワー全開で歌われている。オーティス・レディングは「ラヴ・サムバディ」をレコーディングすることなく1967年に亡くなったため、ビー・ジーズが自分で歌った。このアルバムの「ラヴ・サムバディ」は、バリーと、カリフォルニアのロックバンド、ライヴァル・サンズのジェイ・ブキャナンによって、きしるようなブルースのシャウト曲に変身している。

これと真逆に、ブルーグラスとカントリーのスター、アリソン・クラウスは、バリーと組んで崇高なる「失われた愛の世界」を歌い、1970年代のファルセット・ソウル・アーティストが歌っているように響くこのバラードに彼女の天使のようなソプラノが蜜のように流れる。ドリー・パートンもシンプルな「ワーズ」で見事な抑制を効かせている。

その他、「傷心の日々」シェリル・クロウは本物の感情をこめて歌い、再登場のジェイ・ブキャナンは、今度はミランダ・ランバートと一緒に、『サタデー・ナイト・フィーバー』のサントラにも入っていた「ジャイヴ・トーキン」を、ややスローテンポに、夏めいたホンキートンク感覚で歌っている。

おなじみの曲ばかりの中にあまり知られていない佳曲もちゃんと入っている。ジェイソン・イズベルは、もともとバリーのソロの曲だった「ワーズ・オブ・ア・フール」をデュエット、オリヴィア・ニュートン・ジョンは知られざる「レスト・ユア・ラヴ・オン・ミー」に登場。

一番野心的な試みは1970年の「ロンリー・デイ」だ。テンポがくるくる変わるバロック・ポップのナンバーで、これはビートルズの『アビーロード』B面のメドレーと競おうとするビー・ジーズの試みだった。男女混声の4人組リトル・ビッグ・タウンは巧みなハーモニーで歌いこなしているが、このトラックはアルバム全体の流れを中断してしまってもいる。それでも『グリーンフィールズ』はポップスの一年の偉大なスタートにあたるアルバムだ。何よりも、私たちが少しでも気分を盛り上げたいと願うこのタイミングで登場したというのが大きい。しかも「恋のナイト・フィーヴァー」や「モア・ザン・ア・ウーマン」のような曲はまだ入っていないときているのだから、アルバムのタイトルも示唆している通り、Vol.2を作る余地は十二分にある。「ユー・シュッド・ビー・ライン・ダンシング」とか?                      —by Adrian Thrills

「ユー・シュッド・ビー・ライン・ダンシング」(笑)。

わーい、5つ星評価だ~。(たぶん満点?!)

いろいろなメディアからどどっとレビューが登場していますので、こちらもどんどんご紹介してゆきたいと思います。ご自分の感想と近いなと思うレビューがあるかどうか、チェックしてみてください。バリーをはじめ、関係者のインタビューも次々に出ていますので、そちらもどんどんご紹介したいと思います。新しい年の(忙しいけど)素晴らしいはじまりになりそうですね!

{Bee Gees Days}

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