バリー・ギブ・インタビュー(NME紙69年2月15日)

バリーと愛犬バーナビー(1969年2月)
バリーと愛犬バーナビー

バリーが変わりました、新しいバリーです

(ニュー・ミュージカル・エクスプレス紙1969年2月15日号、記事:ニック・ローガン)

取材が行われたのは当時バリーが住んでいたチェルシーのフラット。時は1969年春。ロビンの結婚に続いてモーリスが婚約。ルルとの結婚が迫っていました。またロビンの髪が長すぎて見苦しいとロバート・スティグウッドが苦言を呈したのに対し、ロビンが「切るつもりはない」と造反(?)発言。バリーはバリーで「いずれビージーズはなくなり、自分はソロになる」と発言。周辺が揺れに揺れていた時代のバリーのインタビューです。

見出しにある「新しいバリー」とは「もっと幸せそうなバリー」ということらしく、これはバーナビー君と紅茶とリンダさん(当時はまだ結婚していません)の効果であるらしい。バーナビ―君とリンダさん(途中から登場)に囲まれてリラックスしたバリーの発言を中心に、以下に記事の内容をまとめてご紹介します。

当時バリーはフランス人のジャンというシェフを抱えていたとか。なんと柔道で黒帯の持ち主だったということですが、バリー家での彼の役割はとにかく紅茶を出しまくること。ちょっと冷めるとすぐに新しい紅茶をいれてくれるそうで、記事の冒頭ですでに5杯目の紅茶をいれてもらったバリーが「すごいんだよ!」と彼を絶賛しています。 

ビージーズに関しては、「いずれ解散する」というバリー本人の発言について、

あんな発言をしたのは当時ぼくたち全員が欲求不満状態にあったから。「ジャンボー」がヒットしなくて、みんないらいらしていた。ぼくも暗いことばかり考えるようになって、もうグループの時代は終わりかもしれないと思っていた。グループの曲を聴いても誰が誰だかわからない。みんなそっくりなサウンドなんだもの。だから何らかの動きが必要だと感じていた。ポップスを止めるというより、映画の世界に進んだ方がいいんじゃないかと思う。そうすれば若いファンから離れずに、ファン層を広げることができる。映画出演の申し込みも受けていたので、やってみたっていいじゃないかって思ったんだ。ぼくだけじゃなく、弟たちやコリンもね。(…)ほら、モーリスがルルのショーにゲスト出演してオーケストラと一緒にピアノを弾いたろ。ビージーズ抜きのモーリスなんてファンの子たちには意外だったと思う。今度はロビンがひとりで何かしたっていいよね。

 ここで客人が訪れます。バーナビーで飛んでいって出迎えた相手とはリンダさんとお母さんでした。

ロビンが結婚してモーリスも婚約したけれど、いまだに兄弟の間は親密ですか?

スタジオとか、仕事中は前と変わらない。でも(私生活では)今はモーリスはだいたいいつもルルと一緒だね。モーリスがルルを好きにならなかったら、もっと一緒にいる時間が長かったろうな。それにロビンは結婚しちゃったから、前と同じとはいかないよね。でもこれは言っときたいんだけど、ヴィンスとは今でも仲良しだよ。噂とは違う。ぼくたちのセッションに来てくれたし、ぼくも彼のセッションに行った。

 リンダさんとの結婚の予定は?

先のことになると思う。あと2年ぐらいは結婚したくない。いまグループの中で結婚していないのはぼくだけなんだけど、その状態をもう少し続けたい。

(この記事の時点で)バリーはリンダさんとオーストラリアに旅行に行き、そこで2,000エーカーの土地と海岸沿いのモーテルを買ったばかりだそうです。この旅行の際にふたりはホテルで盗難にあい、豪華な宝飾品類をごっそりと盗まれて話題になってもいます。もっと明るい話題としては、バリーはこの旅行でイギリス出身の4人組の女性グループを発見しています。「ホテルまで来て伴奏なしで歌ってくれた」のがすごかったのだとか。

次のイギリス・ツアーは?

半年以内には。内容はすっかり変えるけれど、ビージーズのシンボルであるオーケストラは使い続ける。できればたくさんのアーティストを集めたツアーをやってみたい。その方が大勢にアピールすると思う。

 バリーがツアー仲間として考えていたグループのひとつが当時「オンリー・ワン・ウーマン」に続く第二弾シンブルとして「The Walls Fell Down」をレコーディング中だったマーブルスでした。

 ぼくたちとのコネがマーブルスにとっての足がかりになるんだったら嬉しい。オーストラリアでは学校が一緒で、先に有名になった方がもう片方に手を貸そうって約束したんだよね。マーブルスの方が先に有名になっていたら、今ごろぼくたちに手を貸してくれてたと思う。

 髪の毛を切ることを拒否しているロビンのヘアスタイルの件について?

その件について話そうとしないんだよ。(…)でも他の点では保守的なやつなんだ。スーツにネクタイ以外のかっこうで出かけるなんて思いもしないと思う。でも絶対に髪を切る気はないみたいなので、この件について業界の人がロビンをとやかく言うべきじゃないと思う。

ところでバリー自身は髪が伸びすぎると栄養をとられて(?)「頭が悪くなってパワーが落ちる」かも、と思っているそうです。(面白い意見ですね)

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