『小さな恋のメロディ』10 月にはユジク阿佐ヶ谷で上映
この13日にスバル座のメモリアル上映に登場する『小さな恋のメロディ』。東京では同時にユジク阿佐ヶ谷での上映(10月13~25日)も始まります。
上映の詳細はこちらです。
1971年には映画の大ヒットで、主役のマーク・レスター、トレーシー・ハイド、それにジャック・ワイルドが日本でいろいろなメディアに取り上げられました。特にダニエル君とメロディちゃんコンビはひっぱりだこ。これは友だちに切り抜いてもらったものなので、今となっては掲載誌が不明なのですが、たぶん『マーガレット』あたりかと思います。
ロンドンのリッチモンド・パークで撮影されたというこの写真、メロディちゃんの方がダニエル君より大きい? たぶん、この年ごろは女の子の方が成長が早いので、一時的にメロディ役のトレーシー・ハイドの方が背が高かったのかもしれませんね。
「ある秋の午後 マークとトレーシーがかなでる小さな愛の詩」
トレーシーって、ふしぎな子。ぼくは14歳。彼女は12歳。それなのに、ぼくと会っているときは、僕よりもずーっとおとなみたいな顔をするんだ。ぼくをドッキリさせるような、おとなの話をして、へいきな顔をしているんだ。ぼくがテレると、得意そうな顔をして、大きく笑ってかけていっちゃう。
「デイトしよう」って誘うと、いつも「アラ、また?」だって。にくいヤツだよ。それでも、気がるに出てくるトレーシーなんだ。デイトの場所は、ぼくたちの家の近くにあるリッチモンド・パーク。トレーシーの好きな場所は、公園のいちばん奥。人けのない森の中。ぼくは、チョッピリ警戒しながらついていく。
という感じの、なんか「ポエム」な、ダニエル君っぽいちょっとダサくて気弱な雰囲気の男の子目線のショートストーリーがついています。メロディに一目ぼれしたダニエル君が、墓地に追いかけていって、少女たちの秘密の儀式を目撃する場面をちょっと思い出しますね。(秘密の儀式なんて書くとおどろおどろしいですが、要するに誰も見ていないところで、女の子だけで、雑誌の付録のミック・ジャガーのポスターにキスするだけ)
しかし、このあたりの、女の子たちが群れをなすと、適当にイジワルで辛辣になる感じというのは、なんだかリアルで面白かったです。初めて異性あるいは他者に出会い、惹かれ、文字通り、自分とは「異なる」のだと知ってゆく。その辺の日常の描写にすぐれた映画でした。個人的にはイギリス映画によくあった最後のドタバタ活劇はちょっと苦手です。ダニエル君のお母さんの車がもったいなかったなあとか思ってしまいました…。
映画のエピソードは、ビー・ジーズの曲からかなりとられているので、かなわなかった初恋を歌う「若葉のころ」の歌詞からふたりが墓地でリンゴをかじるエピソードが生まれたのでしょう。あれからなんと、ほぼ50年。
「50年ってどのぐらい?」
「休暇をいれないで150学期だよ」
「そんなに長く愛してくれる?」
「もちろん、もう50年愛してる!」
と今なら言える! そう、”時は疾く過ぎゆく”(by ロビン・ギブ)。
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