【1968年フェイヴ誌】ロビン&モーリス・ギブ「ふたごはつらいよ」

ひと呼んで「ビージーズのふたご」
ロビンとモーリス(記事より)
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60年代アメリカのティーン雑誌『FaVe』に掲載されたロビンとモーリスの記事です。題して「ふたごはつらいよ」

以下に簡単にまとめてご紹介します。

 

なんでも半分こ

乳母車時代からはじまって、周囲の愛情や関心などすべてを分けあい、おそろいの洋服を着て、同じおもちゃを使って、何もかも同じことをして育ってきたロビンとモーリス・ギブ。ついにいま、ふたりは反抗期。独立した人格になろうとしています。

オーストラリアで過ごした子ども時代、ふたりは一緒の部屋で、そっくりの持ち物を使っていました。ふたりが13歳だったころ、あんまり似ていたので、どっちが好きか決めかねた16歳の少女ファンふたりが、ふたりをよく知って決めようとばかり、ある夏の夜、真夜中にロビンとモーリスの部屋の窓からしのびこもうとしたことがあったそうです。 (目をさましたふたりはびっくり仰天、大声で叫んだので、お父さんが来て熱狂的な少女ファンを追い払ってくれたのだとか)

いつも一緒
現在(訳注:60年代後半)、アメリカの学校では、クラスを別にするなどして、ふたごのそれぞれが独自の交友関係を育むことを奨励しています。モーリスとロビンが育ったころには、まだこういうやり方ではなかったので、ふたりはどこに行くにも一緒でした。しかも当時すでに仕事をしていたので、練習時間も一緒ですから、一緒にいる時間が長くてとにかく似てしまったふたりです。
ところがビージーズがオーストラリアからイギリスに活動の場を移したときから、モーリスとロビンは別々に時間を過ごすようになりました。でもふたりともそれを後悔はしていません。お互いにいつも一緒でいることに飽き飽きしてしまったのです。それもわかる気はしますね。

大きな変化

まず、同じ服装をするのをやめました。ロビンがベルベットにフリル派なら、モーリスはもっと固い服装をして色も暗い方が好みです。趣味も別。モーリスはステレオやハイファイセットに生きているけれど、ロビンはスピーカーもないシンプルなレコード・プレーヤーを持っているだけ。

 社交家なのはモーリス。ロンドンのクラブでコンサートがあれば必ず行くし、旅先でもいつも夜遅くまで外出しています。
一方、ロビンはめったに出かけず、ひとりでいるのが好きなタイプ。読書をしたり、曲を書いたりして時間を過ごし、にぎやかな仲間とのつきあいもほとんどありません。
外向的なモーリス
  モーリスは社交的で、気さくで、誰とでもすぐに仲良くなるタイプです。いつも誰かが訪ねてきて、おしゃべりしたり、一緒にレコードを聴いたりしています。ロンドンではポール・マッカートニーが飲み友だちで、ドノバンとも仲良しです。ロビンの方はめったに出かけません。
ロビンとモーリスをつかまえて、「ふたごであること」について30分話してください、と頼んだら、ふたりとも25分間は「ふたごはつらい」話をするでしょう。別にお互いにきらいあっているというわけではなく、いつも誰かの影法師みたいな存在でいるのがいやなんですね。
自分に寄せられる関心も、持ち物も成功も、みーんな、いつもいつも別の誰かと分け合うしかないとしたら、自分が自分であることを大切にしたくなりますよね。「ふたごのひとり」ではなく、独立した人格としての自分を認められたいと思うはずです。

まったく性格の違うふたり

ロビンとモーリスはいまだに戦っています。お互いに相手の影響力から逃れようとしています。それぞれの個性がすごくはっきりしてきたので、まもなく(ひょっとして、もう?)ふたごだと言っても信じられなくなるかも。あなたはどうかな。いま、ふたりの写真を別々に見たら、ふたごって信じますか?
たぶん、信じないでしょうね。昔からふたごの兄弟とお似合いなのはふたごの姉妹だなんていいますが、モーリスもロビンもそれには反対でしょう。ふたりとも、つきあうならひとりっこの女性が良いらしい。「影法師は影法師同士」なんてとんでもないそうです。

 

From: "It’s Tough Being A Twin," FaVe, 1968)

アリソン・ピアソンの小説『I Think I Love You』などにも書かれているように、こういうティーン雑誌は本人には取材しないで書かれることも多いようで、ここに書いてあることがどこまで本当かはよくわかりません。元ネタがある場合もありますが、ライターの創造(想像?)に頼る部分も多いようです。

ビージーズのふたごであるロビンとモーリスはもともと二卵性で、ふつうの兄弟としてもそんなに似ている方ではありません。モーリスはロビンよりバリーの方に似ているかも? ただ、子どものころから同じ道を目指して運命共同体であった三兄弟は、「ふたごというよりみつごみたいだった」とバリーなどもよく発言しているので、60年代末の解散騒動は、三人が大人になる途上で必要な「自分という存在を確かめるため」の一過程だったのかもしれません。そんな意味で、かなりの部分が一般論であると思われるこの記事も、改めて読むとなかなか感慨深かったりします。ただし、洋服の好みに関しては、書かれていることが、モーリスとロビンが逆じゃないかという気もするのですが、どうでしょ。

 

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