リドリー・スコット監督「ビー・ジーズは才能があるなんてもんじゃない」

映画情報サイトshootonline.com(2024年9月4日付)が報じたところによれば、新作『グラディエーターII』の発表を控えたリドリー・スコット監督は86歳にして意気軒高すでに次回作のビー・ジーズ映画のことで頭がいっぱいだということです。以下に上記記事の中から関連箇所をまとめてざっとご紹介します。

リドリー・スコットにインタビューすると避けられないのは、これから公開予定の映画が何であれ、監督自身の方はすでに次回作にどっぷりひたっているということだ。

86歳のスコット監督は、これまでの作品の中でも最大級の叙事詩『グラディエーターII』の公開を控えているのだが、今はビー・ジーズのことで頭がいっぱい。ギブ兄弟の伝記映画の作業を展開中なのだ。ロサンゼルスのオフィスからZoomコールで取材に応じたスコット監督は、まわりじゅうを綿密に組み立てられた絵コンテに囲まれていた。

スコットはこの(ビー・ジーズの)プロジェクトに燃えている。「ビー・ジーズは才能が あるなんてもんじゃない。とんでもなく才能があった」と彼は語る。この硬派のイギリス人監督とビー・ジーズというブランドは、一見、かけ離れたものに思われるのだが。

「僕はディスコ・タイプじゃないけどね」と、スコット自身も言っている。「僕の踊りときたら畑でも耕してるみたいだからね」

スコット監督のペースの半分にも及ばないのに、もっとずっと小規模な作品でへこたれてしまっている監督も多い。しかし、1937年生まれ、自らを 「戦時下ベビー 」と称するスコットは、英国王立工兵の士官を父に持ち、一向に衰える気配を見せず、いまだにやる気満々だ。その原動力はどこにあるのかと聞いたところ、スコットの答えは「DNAだよ」というものだった。

「僕の母親はファイターだった。とにかく健康でいることだな。それに僕は喜んでストレスを受け入れる。喜んでストレスを受け入れられないなら、この仕事は止めた方がいい。ストレスを感じて、おじけづいちゃう人がいるけれど、僕は違う。長年の間に、ストレスを受け入れて、”そうなんだよ、みんな。やるのはこれだ”と言えるようになった。そうすれば、相手もこっちの話をしっかり聴いてくれる。僕はアート的な傾向が強くて目も効くから、大事なのは決断すること。とにかく自分で決めることだ。カメラの位置をどうするか、窓拭き係を含めた全員に意見を聞いたりしてるようじゃだめだ」

と、ちょっとビー・ジーズ関連ではない箇所も思わずご紹介してしまいましたが、スコット監督についてはさほど知識がなく、『エイリアン』『ブラックホーク・ダウン』『ブレードランナー』他数本ぐらいしか観たことがない当方ですが、監督の姿勢にはなんだか感動してしまいました。「決断は自分で下す。ストレスを楽しむ」って…ええなあ!

作り手としては、「過去より未来」(できてしまった作品より思いは次回作へ向かう)志向である点も、ビー・ジーズと共通点があるように思いました。ビー・ジーズの重要な作品でさえ未発表のままだったりするのは、ひとえに彼らが「前へ前へ」と進み続けるタイプだったことに関連しているように思うからです。

自分でも「アート的な傾向」を口にしているように、スコット監督は(黒澤明監督のように)絵コンテも自分で描くことが多いそうで、上記の記事にあった絵コンテ(見たい~)も監督自身が描いたものかもしれませんね。『ブレードランナー』の幻想的でサイバーパンク的な街の景色も忘れられません。ああ、どんな映画になるんだろう…。とても楽しみになってきました。若きギブ兄弟と60年代のロンドンとか…。

そういえば、リドリー・スコット監督の代表作のひとつ『ブラックホーク・ダウン』にビー・ジーズが出てくるの、ご存じでしたか?

いや、むろん本人たちは出演していないのですが、たしか民兵側(米視点で描かれているので”敵”側)の斥候がSpirits Having FlownのTシャツを着ていたのです。観た時にはちょっとびっくりしました。舞台となるソマリア内戦は1990年代のことでしたから、ビー・ジーズの人気絶頂期というわけでもありません。スコット監督とビー・ジーズのかかわり(こちらの記事をご参照ください)は知っていたので、「これってオマージュかな」と思ったのを覚えています。(この映画を観たのはかなり昔で見間違いかもしれないので、今度確認してみます(< 当方、すでに自分の記憶力を信じられない領域に達しています😅))

それにしても86歳にして意気軒高なスコット監督とのかかわりでバリーが奮起してくれたらいいな。86歳でも生き生きと次回作への熱い思いを語っていてほしい!

{Bee Gees Days}

 

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