【英NME】ポール・ウェラー、「ジョーク」をカバー
すでにご存じの方も多いと思いますが、NME紙(オンライン版2025年6月13日)が取り上げたように英国ミュージック・シーンの雄ポール・ウェラーがビー・ジーズの1968年のヒット「ジョーク」をカバーしました。
もっとも「ジョーク」が”名トリオの1968年のヒット”と紹介されていることから、この記事を書いたのがビー・ジーズのファンではないということはわかりますね。
【※「ジョーク」は5人組時代のビー・ジーズの作品です。まあ、確かにギブ三兄弟のグループとして生き残ってきたビー・ジーズではあるのでこの書き方もわかりますが、それはやっぱりヴィンスとコリンに、そしてビー・ジーズというグループの歴史に対しても、問題があるんじゃないか(つまり…やっぱり…失礼なんじゃないか)という気は、特に「ジョーク」のヒットをリアルタイムで経験したひとりとしては思います。…ともあれ、以下に「ジョーク」に関する部分を中心にざっとNMEの記事の概要をご紹介します】
名曲「ジョーク」の素晴らしいカバー・バージョンが、ソロアーティストであり、元ジャムのフロントマンでもあるポール・ウェラーのカバー集アルバム『Find El Dorado』(7月25日にParlophoneからリリース予定)に収録される。
プレスリリースによると、この「ジョーク」が『Find El Dorado』の”中心的な曲”になるそうだ。ただし、ウェラー自身がビー・ジーズのオリジナル・バージョンを初めて聴いたのは、自身で何枚もアルバムを出した後だという。
「これは、自分の曲作りについて考え直したくなるような曲のひとつだ」とウェラー。
「素晴らしいメロディというものの価値を改めて確認させてくれる。そして、ロビン・ギブ(リードボーカル)のような、楽器を演奏しないアーティストの場合には、良いメロディがさらにいっそう重要になってくる。
だって、ミュージシャンとアレンジャーに伝えることができるのは、メロディ——それにこちらが書いた歌詞——だけっていうことだからね。だから、メロディと歌詞にすべてがかかっているわけだ」
18 歳だったロビンのオリジナル・バージョン(1968年6月にレコーディング)は、張りつめた弦のような青春の痛みと輝きに満ちていますが、ほぼ50年上の67歳のウェラーが歌うと、まったく違ういぶし銀の輝きですね。
なお、この記事によれば、新作『Find El Dorado』はポール・ウェラーがが「長年のあいだ頭の中にあった曲を再訪し、新たな意味と敬意を込めて再解釈した」作品集だそうです。「ジョーク」以外に、キンクスの「Nobody’s Fool」やボビー・チャールズの「Small Town Talk」などのカバーも入っており、ノエル・ギャラガー、ロバート・プラント等々のアーティストが参加しているとか。それだけ力の入った作品集のメインとして「ジョーク」が取り上げられたのは嬉しいですね!
先日アップしたソングライター誌のインタビューの中でも、バリーとロビンは、「自分たちは第一にソングライターである」と語っていますから、こうした形でポール・ウェラーが再解釈してくれているのは、やっぱりなんとも嬉しいことです。そしてこの名曲、さらにはロビンが歌うオリジナル・バージョンにさらに光があたることになれば、さらに嬉しい!
もうひとつ、多作なソングライターとして活躍し続けたギブ兄弟なので、ついに実現しませんでしたが、本当はモーリスとロビンが元気なうちに、バリーと3人で、ポール・ウェラーのように”アーティストとして、人間としての彼らの血肉となったような”他の人が書いた名曲を歌ったカバー集をアルバムを出して欲しかったなあと思います。ソングライターとしてはもちろん、歌い手としてのビー・ジーズがこれまたなんとも素晴らしいので!
{Bee Gees Days}
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