ロビン・ギブの幻の未発表曲が発掘されました

Sunday Times紙(オンライン版2020年3月25日付)等が報じたところによれば、イギリスで60年代末~70年代にかけて人気を博した俳優の故ピーター・ウィンガード(2018年1月15日逝去)の遺品がオークションにかけられ、中に《1970年ロビン・ギブ作》と書かれた「I Will Surrender」という曲のタイプ打ちされた歌詞が入っていたということです。

オークションはEast Briston Auctionsによって行われ、3月26日に終了しました。タイプ打ちされたロビンの“幻の曲”「I Will Surrender」の項目はこちらのリンクで期間限定で閲覧することができます。

幻の曲「I Will Surrender」の歌詞

If my heart is made of wood
then I should not
think of you!
I’m like a lighthouse
In the sea!
my dreams won’t let,
me argue

As my heart abandons me
I was caught in a cold dark corner
and the world won’t rescue me,
how can I surrender to you’
how can I surrender to you.

All the crowds
are far and few
and my giantm [sic] halls are empty
we had rehearsed a rendezvous
seems I must surrender to you!
Yes I will surrender tou [sic] you.

THE  END

この心が木でできているというなら
君を思ったりしないのに
僕は海に立つ灯台のよう
夢にあらがうすべもない

うつろな気持ちで
寒々と暗い片隅にとらわれ
この世の誰も僕を救ってはくれない
どうやって君に降参したらいい
どうやって降参したらいいのか

人の群れははるか遠く数も少なく
広いホールには人影もない
君との逢瀬のリハーサルをしたのに
僕は君に降参するしかない
そう 君に降参するしかない

これは1970年に発表されたウィンガードのソロ・アルバム用の曲で、結局は使われなかったものだろう、とみなされているそうです。ちなみに上記のThe Timesの記事によれば、『When Sex Leers Its Inquisitive Head』というそのアルバムはレイプについての曲が入っていたために発売後4日で市場から引き揚げられたという問題作だとか。このウィンガードさんという人はかなりの変人だったそうで、いまだに亡くなった時の正確な年齢も、経歴も不明だそうです(死亡記事に「たぶん90歳ぐらい」と書かれています)。

上掲のタイプ打ちされた歌詞は非常にタイプミスが多いので、ひょっとしてロビンが自分で打ったのではないかとも思われます。(ロビンはタイプが苦手でしたーーというか、「うまくないけど打てる!」とか言っていましたが、ほんとは10本指で打てなかったんじゃないかと私は疑っています)

オークションの内容説明は次の通りです。

ロビン・ギブの未発表曲と思われる歌詞のセットは、俳優ピーター・ウィンガードの1970年のアルバム『ピーター・ウィンガード』のために書かれたものと思われます。「I Will Surrender」と題されたこの曲には「作詞作曲ロビン・ギブ、1970年」と注記されています。紙は折りたたまれており、裏にはウィンガードの筆跡で「ロビン・ギブの曲」と書かれています。タイプされた歌詞には間違いがあり、訂正されている箇所もあります。裏面にはこれもウィンガードの筆跡で複数の電話番号が書かれています。ピーター・ウィンガードの遺産内から見つかった希少なアイテムです。ロビン・ギブCBE(1949年12月22日~2012年5月20日)はイギリスのシンガー・ソングライター、レコード・プロデューサーで、兄バリーと二卵性双生児の弟モーリスとともにポップ・グループ、ビー・ジーズの一員として世界に名を馳せました。

YouTubeに音源を出したのはこのオークションの関係者であると思われますが、このような注記をつけています。

1998年にピーター・ウィンガードが古い原稿等一切の売却を希望したために、彼に会う機会を得ました。原稿や紙類の中に彼のアルバムに収められた曲のデモが入ったフォルダがありました。この「I Will Surrender」という曲はロビンが書いたもので、ウィンガードのアルバム用の曲だったものと思われます。ロビンとピーターは親しい友人でした。ピーターのトレードマークでもあったベントレーを買い取ったのもロビンです。

また、バリーも当時のインタビュー記事でピーター・ウィンガードと「親しい」と語っていますから、当時ポップス界の頂点だったロンドンで若きギブ兄弟と奇行で知られた人気俳優ウィンガードの間に親交があったのは間違いないようです。

YouTubeで公開されている音源は歌詞の一部だけですが、果たして全体のデモ音源があるのでしょうか?

{Bee Gees Days}

 

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