サントリーウーロン茶のCMにビージーズの名曲が登場

ビージーズ(1978年)

 

ビージーズ(1978年)

現在流れているサントリーウーロン茶のCM「大空間」篇にビージーズの名曲「Stayin’ Alive」が使われています。サントリーは以前にも同ウーロン茶のCM「カンフー」篇に「スピックス&スペックス」を起用したことがあります。爽やかなメロディが商品イメージに合うのかもしれませんね。

オンエア開始は3月26日ということですので、すでに耳(目?)にされた方もいらっしゃるのではないでしょうか。 

「Stayin’ Alive」とCMといえば、2008年にホンダのオデッセイに本人たちが歌うオリジナルバージョンが登場して、すごいインパクトでしたが、今回の「大空間」は既報のイギリスのIKEAのCM同様にカバー版です。それでも聞いたとたんに「あ、あの曲だ」という人は数多く、それ以上に「どこかで聞いたことがある!」とピンと来る人は多く、さらにそれ以上に「素敵な曲だ」と感じる人が多いのではないでしょうか。それこそビージーズの真骨頂なのだと思います。

ちょうどCMのオンエアが開始された26日にNHK BSで放送された「日本人が愛する洋楽アーティストランキング50」の結果ではビージーズは41位でしたが、これこそビージーズなんだと個人的には思います。昔むかしビージーズが世界デビューし、「マサチューセッツ」「ホリデイ」「ワールド」「ワーズ」と日本のチャートを爆走していた1968年、民放ラジオで「6大アーティスト電話リクエスト」という視聴者の電話リクエストによるリーグ戦企画がありました。何しろ花の60年代ですから、この6大アーティストの面子にはビートルズ、ストーンズ、ウォーカー・ブラザーズ、クリフ・リチャードなどなど今や伝説の大物アーティストがずらりとそろっていました。(6大アーティストと記憶していますが、うーん6番目のアーティストを思い出せん。ダスティ・スプリングフィールドとか女性だったかも? いや、ひょっとして5大アーティストだったかもしれません(汗)。バリーもオーストラリアのステージで「1965年ごろのことはよく思い出せるのに先週のことが思い出せない」とか言っていましたが、トシですなあ)【追記:その後、この6番目のアーティストは当時「サウンド・オブ・サイレンス」などがヒット中だったサイモン&ガーファンクルだったことを教えていただきました。どうもありがとうございました】

とにかくこの面子の中で当時破竹の勢いの新人で、一番売れている印象だったビージーズがどこまでリクエスト数を伸ばして、並み居る大物アーティストを食っていくか、と注目されたのですが、結果的にビージーズはどのアーティストにも負け続けて、確か最下位の6位(あるいは5大アーティストなら5位)だったと記憶しています。でもそれでも当時一番売れていたのは間違いなくビージーズでした。で、これがビージーズなのだ、と私は思います。彼らはアイドル風の扱いだった当時から、実はアーティスト(あるいはポップスター)としての彼らの人気ではなく、曲ゆえに、音楽ゆえに愛されるという存在だったのですね。

かつてロビンが「ビージーズのファンだけが買ってくれる曲では大ヒットにはならない。ふだんのコアなファン層を超えて一般の音楽ファンまで動かした曲だけが大ヒットする」のだと語ったことがあります。それを実行し続けたのがビージーズです。この「大ヒット」を「不滅の曲」と言い換えてもいいかと思います。売れる売れないではなく、いつの間にか心にすみついていて人生の端々で心の中に流れ続ける曲、大切に大切に愛していく曲。誰が歌っているのか、誰が書いているのかさえ知らなくても、ふと耳にすると胸がしめつけられるような気がする曲…おそらくそんな曲を誰よりもたくさん書いているアーティストのひとつ、それがビージーズなんだと私は思います。

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