ロビン・ギブの「ブループラーク除幕式」が行われました
2012年9月30日(日)(午後2時~)、ロビンが住んでいたテームのプリーストエンドにあるプリベンダル邸でヘリテージ財団によるブループラークの除幕式が行われました。
まず作詞家のサー・ティム・ライスが「ロビンを知ったことを光栄に思う」と述べた後、DJのマイク・リードが誰にも愛されたロビンの人柄をたたえて献辞とし、続いてドゥイーナ夫人と次男のRJによって除幕が行われました。出席予定だった長女のメリッサさんは体調不良により出席を見合わせたということです。
このときの模様はnews.sky.comでビデオ入りで報じられており、ポップスターでTVタレントのピーター・アンドレがロビンと仕事ををした経験を語る映像も見ることができます。
セレモニーの終了後、庭園を開放したアフタヌーンティーの会が催されました。また出席者には敷地内の礼拝堂と食堂も公開され、テントを張られた会場に入場する際には、カリバーというバンドの演奏によるビージーズの名曲集が流れたということです。
ロビンへの思いと音楽にあふれた午後でした。『タイタニック・レクイエム』のイザベル・サックリングが「アヴェ・マリア」に続いて、イアン・ティリーのピアノ伴奏による「Christmas Day」で美しい歌声を披露。ロビンが「ひとりビージーズ」と好んで呼んだソロツアーにこの10年参加してきたボーカリストのエロル・リードとギターのウェイン・バンクスがアコースティックの「To Love Somebody」を聴かせました。ふたりともロビンの最後のソロ公演となった2011年7月3日のベルリン公演にも参加しています。満員の3万の観衆を前にしたロビン最後の公演でした。シンガーソングライターのセシリア・ド・ライルは、アイヴォー・ノヴェッロ賞の受賞歴を持つスチュアート・ジェームズをギターに迎えて1997年のアルバム『Still Waters』から名曲「Rings Around The Moon」を歌いました。現在、ロンドンでレコーディング中のセシリアのニューアルバムにこの曲が収められる可能性があるということです。また、デッカのアーティスト、メアリー・ジェスは現在ライブでは必ず歌っているという「 Don’t Cry Alone 」を披露。この様子はYouTubeで公開されています。きれいな声ですね。
ソルジャーズはロビンへの特別な思いを語りました。去年の秋、すでに体調が悪化していたロビンが午前中に首相官邸でプレゼンをすることができない状態だったにもかかわらず、ソルジャーズをがっかりさせるまいと無理をおしてアラン・ティッチマーシュ・ショーに出演し、生出演の席上から首相への謝意を述べたときのこと。それ以上に、今年の2月、病床のロビンが、ツアーの最終日に参加するというソルジャーズとの約束を守って、2月13日のロンドン・パラディアム公演に出演してくれたときのこと…。ロビンはこの直後に倒れて再手術を受けることになり、結果的にこれがロビン最後のステージになりました。英国軍の負傷者のための「ヘルプ・フォー・ヒーローズ」というチャリティのための出演でした。
ソルジャーズはロビンとレコーディングした2011年のオフィシャル”芥子の花”シングル、「獄中の手紙」とロビン追悼の思いをこめてニューアルバムに収録する予定の「How Deep Is Your Love 」を熱唱しました。
その後、くじ引きやオークションのあいまにプレゼンターのピーター・アンドレが、ビル・ワイマン、DJのジョニー・ウォーカー、歌手のベヴァリー・ナイト、ミック・ハックネル、ミッチ・ワインハウス、リック・ウェイクマンなど残念ながら出席できなかった人たちから寄せられた数々のメッセージを紹介。
リズム・キングズとヨーロッパ・ツアー中のビル・ワイマンは「昨夜ジョージ・フェイムが ロビンに捧げた「How Deep Is Your Love」を歌ったところ、まだコンサートが始まって2曲目だったというのにスタンディングオーベーションでした。今夜のハンブルグでも同じようなことがあるのではないかと思います。…ロビンはビージーズの中でも最高の声の持ち主でした」。自分の結婚式(!)と重なって出席できないというベヴァリー・ナイトは音楽の世界を超えて広く人々に敬愛されたロビンの人柄を語り、「わたしにとってのロビンはどこまでも謙虚な天才でした。ロビンと知り合えたことを誇りに思っています」。
時間の都合でメッセージ紹介は途中で切り上げざるを得ませんでしたが、ピーターが最後の締めくくりに引用したのは…2011年2月にベルリン映画祭でロビンの手から功労賞を受け取った”あの人”の言葉でした。映画『サタデー・ナイト・フィーヴァー』の冒頭シーン、「Stayin’ Alive」の調べにのってブルックリンの通りを歩く姿が画面に映し出されて以来、彼の人生は変わってしまった、といいます。そのジョン・トラボルタの言葉――「マイクの前に三人がそろえば、まじりけのない本物の魔法が生まれます」。
その他、スピーチを行った来賓の中にはDJ界の重鎮も多く、アンディの「トップ・オブ・ザ・ポップス」初出演の際に紹介したというデーヴィッド・”キッド”・ジェンセンは、急病で欠席したポール・ガンバッチーニにもエールを送りました。ロビンと親しかったポールはロビンが4月末に昏睡から覚めた後にロビンを訪ねた数少ない友人のひとりです。またロビンが自ら選出してヘリテージ財団の特別賞を贈ったDJのボブ・ハリスは友人ロビンのキャリアを語りました。来賓席にはロビンが出演をことのほか楽しみにしていた「スカイ・ペーバー・レビュー(新聞見出し批評)」のアンカー役だったスティーブン・ディクソンの姿も見られました。ウェストロンドンのアイルワースにあるスカイ・ニュースのスタジオでの深夜の収録をロビンはとても楽しんでいたということです。
また、RJとダグ・ラドクリフはヘリテージ財団名誉会長として英空軍特別爆撃部隊の戦没者慰霊碑建設のためにロビンが奔走した経緯を語りました。慰霊碑はついに完成し、6月28日にグリーンパークでエリザベス女王自らの手で除幕されましたが、ロビンはその誇らしい日を目の当たりにすることなく亡くなりました。
ロビンへの思いと音楽にあふれ、ロビンを語る言葉はつきることがない感動的なイベントだったということですが、ヘリテージ財団のデ-ヴィッド・グレアム会長の次の言葉がロビンを知っていたすべての人の気持ちを表しているといえるかもしれません。「私が生きている間はロビンの生前の功績をたたえるブループラークなんて設置する必要がなければいいのに、とずっと思っていました。ロビンはあんなにがんばって病気と闘っていたのに…」。
なお、この日の模様はこれから出る「ハロー」誌や来週の「サンデー・エクスプレス」(いずれも英国版)で取り上げられるということです。.
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