バリー・ギブのコンサート評(New Times 2012年2月22日)

大好評だったバリーの2月21日のライブ、その後もメディアに続々と絶賛する批評が登場しました。

バリーのマネージャーからもリンクを送っていただいたこの記事もそのひとつ。コンサートの翌日2月22日に地元フロリダのNew Times紙に掲載されました。

「自分に関するコンサート評とかレコード評の類いはいっさい読まない」と発言しているバリーですが、今回の舞台で共演を果たした長男のスティーブン・ギブもこの記事を話題に出していますので、ひょっとして家族と一緒にバリーも読んだのかもしれませんね。例によって版権の関係で全訳はできませんので、内容を簡単にまとめてご紹介します。

 バリー・ギブ・オンステージ、本拠地の南フロリダで

トリオではなく独りでビージーズのサウンドに取り組めるものなのか? モーリスが亡くなり、ロビンも闘病中と伝えられるなか、長男のバリーがこの難題に挑戦した。なんといってもビージーズの大きな魅力は三兄弟のあのハーモニー。2月21日の夜、ハードロックライブのステージに独り立ったバリーは、事態の困難さを痛感したに違いない。はたして聴衆の期待に応えられるのだろうか。幸せなことにその答えは「イエス」。

Saturday Night Fever 』でおなじみのファルセットも健在なら、初期のアルバムトラックを含む選曲はコアなファンも満足させる内容だった。ライオンのたてがみみたいだった髪は薄くなり、白髪になったとはいえ、バリーのカリスマ性も少しも変わっていなかった。観客の熱烈な反応にややたじたじの様子だったが、1時間半のステージですっかりくつろいだ様子のバリー。グリーンのシルクシャツにジーンズという服装で、地元フロリダに「錦を飾った」のである。

ロビンのリード曲は歌わなかったので、たとえば「獄中の手紙」などが聞けなかったのは残念だけれど、大ヒット曲も次々と披露される一方で、さほど知られていない佳曲も登場。さらに長男のスティーブン・ギブも参加した8人編成のバンドはオリジナルのアレンジに忠実で、3人のバックアップシンガーもロビンとモーリスの不在を埋めるべく健闘していた。

家族への思いがあふれたコンサートでもあった。「Words」 はリンダ夫人と子どもたち、孫たち、甥や姪を含む”家族”に捧げられた。バリーの姪にあたるモーリスの令嬢サマンサ・ギブもビージーズの曲ではない「この世の果てまで」でゲスト出演し、大喝采を浴びて、豊かな将来性を示してくれた。スティーブンもモーリスの曲「オン・タイム」でギターの腕前としぶいボーカルを披露。手や腕に入れ墨をしたその姿はちょっとビージーズのイメージとは違う。

そのあとでバリーもバックを務めた女性歌手ベス・コーエンとのデュエットで「Islands in the Stream」と「Guilty」を披露。特に前者は圧巻でギブ兄弟の曲の素晴らしさを改めて感じさせた。

一番感動的だったのはラストに近く、アンコール直前にバリーが亡くなったふたりの弟モーリスとアンディ、それに闘病中の弟ロビンへの思いを語ったときだろう。 どうか祈りを捧げてくれと聴衆に語りかけたあと、バリーが弟たちに捧げた曲はセリーヌ・ディオンのために書いた「Immortality」。「決してさよならは言わない」と歌うバリーの声には深い感情がこもっていた。アンコール曲は「Stayin’ Alive」。

素晴らしいコンサートだった。人の心をとらえて放さない。バリーはあいかわらずの素晴らしさだった。ノスタルジアは過去だけに属するのではないと思えるときがある。この場合、”今という時間”がはっきりと感じられるコンサートだった。

個人的な意見: 理想的な選曲だった。個人的にはビージーズ屈指の佳曲「若葉のころ」が入っていたのが嬉しかった。
もろもろ気づいた点: 予想通り、観客の年齢層は高かったが、中年層も多く、ビージーズのファン層の広さを裏付けていた。
ところで…: 「ディスコ」化したとビージーズが非難を浴びたのも今は昔。「Saturday Night Fever」の曲も素晴らしかった。

Thanks: Dick Ashby

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