ジョナス・ブラザーズ、「ビー・ジーズに認められて嬉しかった」

NBC.comが7月4日付の記事で伝えたところによれば、アメリカの独立記念日にあたる7月4日に実施された恒例のメイシーズ社主催独立記念日花火大会に、ジョナス・ブラザーズが、ビー・ジーズの「ステイン・アライヴ」にインスパイアされた新曲「No Time To Talk」を引っ提げて登場。この模様がNBCで中継されました。

上記リンクの記事の話題はやはり「No Time To Talk」であり、ビー・ジーズへの敬愛です。

ジョナス・ブラザーズは、2025年6月に、20周年記念プロジェクトの一環としてシングル「No Time To Talk」をリリース。アップテンポのディスコ・ポップのこの曲の発表は、JONAS20と銘打ったツアーと、NBCで生中継されるメイシーズ社の独立記念日花火大会スペシャルへの待望の出演にぴったりのタイミングで、ジョナズ・ブラザーズにとって7枚目となるスタジオ・アルバムのノスタルジックな雰囲気を予感させるものになっている。

タイトなハーモニー、70年代風のプロダクション、聴いていると踊りだしたくなるようなコーラスで、ジョナス・フラザーズは、名高いミュージック・アイコンに想を得ると当時に、新たなファン層にも「一緒に楽しもう」と呼びかけているわけだ。

「No Time to Talk」って、なんだか聞いたことがあるような気がする? それもそのはず、なつかしい時代を思わせるこのグルーヴィーなメロディ。ビー・ジーズを思わせるこの「No Time to Talk」について、以下にもう少し詳しくご紹介しよう。

ビー・ジーズの「Stayin’ Alive」を再解釈した「No Time to Talk」

ケビン、ジョー、ニックのジョナス3兄弟は、20年に及ぶキャリアで数々のダンスナンバーを世に送り出してきたが、「No Time to Talk」は、バンドになりたいという夢を彼らに与えた曲への愛のメッセージとして制作された。ビー・ジーズの曲はジョナス家のラジオから流れる定番だったそうだ。このキャッチーな夏向けのヒットのサビに、ビー・ジーズの「ステイン・アライヴ」(1977)がサンプリングされていることに気づいたファンもいることだろう。何しろサウンドも歌詞も似ている。

いちばんはっきりわかるオマージュは、「No Time to Talk」のサビで、「ステイン・アライヴ」の冒頭がアレンジされた部分だ。「Well, you can tell by the way I use my walk / I’ma woman’s man no time to talk / Music loud and women warm, I’ve been kicked around / Since I was born」という原曲の歌詞が、ここではエネルギッシュなコーラス・アレンジで歌われている。

「Because I can tell by the way you use your walk / that you came to dance, no time to talk / Turnin’ up with all your friends, you came to dance / around the clock.(君の歩き方でわかるよ/踊りに来たんだね、おしゃべりするんじゃなくて/友だちみんなと一緒に、君は踊りに来たんだね/朝までずっと踊りにね)」と歌うニックのボーカルはシルクのように滑らかだ。

「No Time To Talk」には「Stayin’ Alive」のキャッチーなコーラスが組み込まれている。しかし、「Ah, ha, ha, ha, stayin’ alive, stayin’ alive / Ah, ha, ha, ha, stayin’ alive」という部分を、ジョナス・ブラザーズは「I-I-I-I came to dance, no time to talk / She said, 「I-I-I-I came to dance, no time to talk.」と歌う。

「No Time to Talk」は、ダンスフロアで❝プレイボーイ❞を追いかけるのではなく、視点を逆転させ、女性が楽しんで踊り狂う歌になっている。

ニューアルバムは、こんな感じになりそうだ

ジョナス・ブラザーズは6月19日、「No Time To Talk」のリリースをインスタグラムで発表した。このサマー・ソングがビージーズから公式に”祝福 “されてどんなにうれしかったか、という心温まる内容の投稿だ。 この曲は、2025年8月8日にリリースされるアルバム『Greetings from Your Hometown』からのセカンド・シングルだ。

「親父が僕らのためにかけてくれた音楽で育って、レジェンドともいえる先達の存在を知り、生涯変わらぬ影響を受けるようになった。 その影響は、今こうして’No Time To Talk’を書いている時にも、変わらず僕たちの中で息づいていて、今日、ビー・ジーズの祝福を受けてこの曲を世に送り出せるなんて夢みたいだ。僕たちが楽しんでこの曲を作ったように、みんなにも楽しんでもらいたい。踊ろう~ぜ!」

曲のリリース直後、ニック・ジョナスはSirius XMのインタビューで「No Time to Talk」の着想のもとについて語り、兄弟で曲を作るきっかけとなったミュージック・アイコンたちの名前を挙げた。「’No Time to Talk’は、僕たちの音楽的ルーツへの回帰なんです。父は僕たちにいろいろと素晴らしいレコードを聴かせてくれました。ビートルズ、ジャクソン5、スティーヴィー・ワンダー、キャロル・キング。中でも大きかったのがビー・ジーズの存在です。この曲では、大好きなビー・ジーズのメロディと曲’Stayin’ Alive’を、新しい刺激的な形で、僕たち独自の解釈を加えて取り入れることができました。しかも、この曲、まさに夏にぴったりの雰囲気なんですよね!」

ジョナス・ブラザーズのニュー・アルバムの核心には、心地よい懐かしさが詰まっている。3人はアルバムのジャケット撮影のため、故郷ニュージャージーに戻り、あたたかな雰囲気の家族向けレストランで乾杯する姿を写真に収めた。

ここで「ビー・ジーズの祝福」と言われているのは、ビー・ジーズのオフィシャル・アカウントがつけた”いいね!”でしょう(下図参照)。

右側にbeegeesの”いいね!”が見えますね。

ちょうど先日の朝のマン島のラジオ局とのインタビューで、バリーがミルス・ブラザーズやスタンレー・ブラザーズなど子ども時代に影響を受けたアーティストの名前を挙げたように、今をときめくジョナス・ブラザーズがビー・ジーズをはじめ60年代や70年代を中心に活躍したアーティストの名前をルーツとして挙げているのも興味深く思われます。歴史はこんな風に受け継がれていくのでしょうか。

3人兄弟のグループであること(しかもたしか下に弟がいたと思う!)、シンガー・ソングライターであること、音楽関係者を両親に持っていたこと、子どものころから活動していたこと、有名になったあと不和が原因でいったん解散していたこと、チャリティに熱心であることなど、ジョナス兄弟とギブ兄弟の間には数々の共通点が見られます。アイリッシュの血が入っていることもそうした共通点のひとつですが、ジョナス兄弟はラテン系(イタリア)でもあるせいか、「No Time To Talk」を聴いただけの印象では、霧がかかったような陰のあるギブ兄弟より、明るい夏のサウンドに感じられるような気がしますね。

アルバムの発売とほぼ同時に、ジョナス兄弟の全米ツアーも開始されます。思えば40数年前の今ごろ、ビー・ジーズはスピリッツ・ツアーの最中でもありました。このタイミングで再解釈された「ステイン・アライヴ」、つまり「No Time To Talk」が、当代の人気者たちの手で、また全米1位に輝いたら素晴らしいですね!

{Bee Gees Days}

 

 

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