今こそ明かす(?)―監督が語る映画『グリース』の秘密
”Grease is the word…" ♪
オリヴィア・ニュートン・ジョンの話題が出たところで、少し前にアメリカのエンターテイメント・サイトBustleに掲載された映画『グリース 』の記事(オンライン版2015年8月28日付)からビージーズ関連の話題を中心にご紹介します。題して、「ランダル・クレイザー監督に聞きました―ダイ・ハード・ファンでさえ知らなかった『グリース』15の秘密」。
1.ジョン・トラボルタのおかげ - まだ映画を撮った経験のなかった新進監督のクレイザーが『グリース』の監督を任されたのはテレビ映画『プラスチックの中の青春 』で一緒に仕事をした縁でトラボルタが推薦してくれたから。
2. まさか『グリース』の方が『サージェント・ペッパー』よりヒットしてしまうとは… - 誰も予想していなかったとか。当時、ビージーズとピーター・フランプトン主演の映画『サージェント・ペッパー』も撮影中。大作として話題と期待を集めていた『サージェント・ペッパー』に比べて『グリース』の方は添え物扱い。「『グリース』の方の出演者やスタッフのパーティではハンバーガーやホットドッグが出る程度だったけど、『サージェント・ペッパー』の方はシュリンプとか食べてた」そうであります。でも「どうせたいした映画じゃないと思われていたおかげで、とにかく好きにやらせてもらえた」とか。
3.今度『グリース』のライブが作られるそうですが、クレイザー監督は、「どうやってあの内容を3時間に引き延ばすのだろ」と思っているそうです。
4.クレイザー監督がこの道を目指したのは子ども時代に見たパラマウント映画『十戒』のせいだったので、パラマウントで撮れたのが特に嬉しかったそうです。
5.サンディ役はキャリー・フィッシャーになりそうだった? ― クレイザー監督はジョージ・ルーカス監督と大学時代にルームメイトだったので、ちょうど『スター・ウォーズ』のミキシング中だったルーカス監督を訪ねたところ、レーア姫役のキャリー・フィッシャーをサンディ役にどうかと言われたそうですが、「髪の毛しか見えなかったのでミュージカル向きかどうかわからなかった」とか。
6.その後、ルーカス監督とクレイザー監督の映画に基づくアトラクションがディズニーランド(米)でお向かいさん同士として建ったという偶然もあったそうです。
7.実は映画『グリース』中の歌の歌詞はかなりきわどいものが多いのですが、ああいう感じで歌われると意外とみんな気がつかなかったとか。
8.『グリース』中のミュージカル・ナンバーのリハーサルや撮影をしていた舞台がジャック・ニコルソンやウォーレン・ベイティが執筆中だったオフィスのそばだったので、ふたりに「うるさーい」と怒鳴られたそうです。
9.監督はドラッグレース・シーン撮影中、裸足で足を切り、そのまま水の中に入ったので傷にばい菌が入って発熱してしまったとか。
10.ドライヴイン・シアターのシーンはその場の思いつきで撮影されたそうです。
11.アップにしてもらえなかったトラボルタ ― 上記のシアター・シーンの最後にトラボルタがアップを希望したけれど、アニメーションとのタイミングがばっちりだったので、現状維持となり、トラボルタのアップは見送られました。
12.高校のカーニバル・シーンには本物のカーニバルが使われました。
13.監督はオリヴィアは役にぴったりだと思ったけれど、ラストシーンで不良になるところだけは清純すぎて無理じゃないかなと思っていたそうです。それでも結局、サンディ役はオリヴィアになったけれど、「初めてオリヴィアがラストシーン用のメイクをして現れたときのこと……みんなが大騒ぎしてるので見ると、すごいワイルドな髪型の女性がやってくるのが見えました。で、『あれ誰?』と聞いたら、まさかのオリヴィア。てっきり新しいエキストラの女性か何かだとばかり…。『え、オリヴィアなの? これならいける!』と思いましたよ~」。
14.トラボルタの「Greased Lightening」はエルヴィス・プレスリーのイメージだそうです。
15.監督は最初バリーの書いたタイトルソング『グリース』が気に入らなかった!- オープニングのアニメはもともと50年代の曲にあわせて作られていたのに、なぜかバリーがオリジナルスコアを書くことに。「歌詞を聴いたら、『こりゃ映画の内容にあってない』という気がしました。ちょっと暗すぎると思ったんです。で、バリーに『ちょっと歌詞を変えて、もっと明るい雰囲気にしてくれないか』と頼んだら、バリーの答えは『シリアスなシーンを追加してはどうか?』というものでした。結局、シリアスなシーンは追加しないで、バリーの曲をそのまま使いました。でも曲と映画の内容があってないことには誰も気づきもしませんでした。とにかく、私が決めなくて良かったですよ! あの曲は大ヒットして、ラジオをつけるとどの局でも流れてましたからね~」
タイトルソングのエピソード、自分の作品に自信を持って譲らなかったバリーもあっぱれですが、自分の負けをいさぎよく認める監督もなかなか(!)ですね。それにしても『サージェント・ペッパー』のキャストやスタッフの方が「いいもんを食っていた」とは…。
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