【1978年ティーン・ビート誌】”ビージーズと一問一答”
1978年、フィーバーの渦中にあったビージーズのインタビュー。
映画『サージェント・ペッパー』はセリフがないので演技しづらかったというビージーズ本人たちのリアルタイムの感想など、現時点で改めて読むとやはりいろいろと思うところの多いインタビューです。以下に簡単にまとめてご紹介します。
質問: ビートルズのアルバム『サージェント・ペパー』が発表された当時には、どう思いましたか?
バリー: ぼくたちはビートルズが大好きで、ミュージシャンとして大いに尊敬し、時代に先駆ける存在だ、と思っていました。こっちは駆け出しなのにビートルズは先を行っていましたね。当時、ビートルズには大いに影響されました。どんなグループもみんな、ビートルズに影響されたり、ビートルズを真似したりしていたと思いますよ。ぼくたちのレコード「ニューヨーク炭鉱の悲劇」はビートルズのサウンドに似ていると言われましたが、その通りだと思います。もっともあれは宣伝用のコメントではあったんですが。
質問: ビージーズがビートルズを歌うので、”ギブ風”にしようと考えていますか?
モーリス: ぼくたち流にやった曲もあります。時代に合わないと思った部分を変えました。
ロビン:そんなに違わないですけどね。一部を1978年風のバージョンにしただけで。ジョージ・マーティンはものすごくオリジナル・アルバムに忠実でしたね。
バリー: もちろん、ストーリーは違います。もともとの『サージェント・ペパー』はアルバムでストーリーはなかったわけだから。
質問: ビートルズ側の感想は?
ロバート・スティグウッド: ジョージ・マーティンがビートルズに各トラックのテープを送って承認してもらいましたが、みんな、というか、少なくともポールは、気に入ってくれました。
質問: 初めて演技してみての感想は?
バリー: セリフがなくて歌うだけなので、とっても演技しにくいですね。変わったやり方ですよね。セリフなしでの演技はある程度ありますけど。監督が素晴らしかったので、助かりました。ぼくらのアイディアにもすごくオープンでいてくれたし。
質問: 撮影セットでピーター・フランプトンとの仲はどうでしたか? スター同士、自尊心のぶつかりあいとかなかったですか?
バリー: この業界でここまでやってきた人間なら、誰でも多少とも自尊心がありますよ。でもぼくたちはピーターがハードのメンバーだったころから10年のつきあいなので、お互いによく知っているんです。ピーターはモーリスと一緒に何度もセッションしているし。
モーリス: ひさしぶりに会ったなあ。でも会ってみたら、ピーターはぜんぜん変わっていなかったですね。ピーターの方もおれたちと同じでキャリアの浮き沈みがあったしね。撮影が半分終わるころには、まるでひとつのバンドみたいになってました。4人ともすごく仲良くなって、とっても楽しかったです。まあ、もちろん、全員がイギリス人だしね。
質問: 今年はツアーの予定はありますか?
バリー: 来年、夏のはじめにツアーをする予定です。今年はもうくたくたでツアーはしません。まだニューアルバムの作業中だし。来年はツアーをしますよ。
質問: ビージーズのオリジナル曲を集めて『サージェント・ペッパー』みたいに映画にする計画などはありますか?
モーリス: とにかく、今年はなし、ですね!
質問: 将来、別の映画に出て演技しようという気持ちはありますか?
バリー: はい、あります。そのときはセリフを歌うパターンにはしません。
質問: 今回、選ばれてこの映画に出ることになったのはなぜ?
バリー: ソングライターとして成功し、ヒットレコードを出せたからじゃないかと思っています。
質問: 長い不遇の時代を経てこんなに成功するってどんな気持ちですか?
ロビン:嬉しいですよ! 不遇というのは実になんとも言い難い体験ですから。
質問: 現在の成功の原因は何だと思います?
ロビン: ぼくたちにはわからないです。
バリー: ぼくたちの一番の才能は適応力じゃないかと思います。おそらく誰にとってもこれが一番の才能じゃないでしょうか。ディスコ・バンドになるつもりなんかまったくなかったんです。もともとダンスフロアでかかることを想定した曲はほとんどありません。いま、みんなにうけている理由はぼくにはわからない。ぼくたちの音楽はエネルギッシュだとは思います。勢いがありますよね。それが魅力なのかなあ。
モーリス: 1978年のロックミュージックはディスコとも呼ばれた、ということじゃないかと。
質問: 忙しい一年でしたね。休暇の予定は?
バリー: マネージャーに、今年はツアーをやめてくれ、と頼みました。2年間休みなしで仕事をしてきたので。映画『サージェント・ペッパー』の撮影後、すぐにスタジオ入りしてニュー・アルバムの仕事にかかりましたからね。今はとにかく休まないと。でもまたすぐに仕事にもどりますよ!
(From : "Teen Beat Meets the Bee Gees," Teen Beat, December 1978)
【記事中に使われた写真はユニセフ・コンサートのための記者会見時のものです】
しかしセリフが一切ないという『サージェント・ペッパー』方式は相当彼らを悩ませたようですね。
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