元マーブルズのトレバー・ゴードンが亡くなりました

マーブルズ時代のトレバー・ゴードン(左)と

グラハム(グレアム)・ボネット

マーブルス時代のトレバー・ゴードン(左)とグラハム(グレアム)・ボネット

元マーブルズのトレバー・ゴードンが亡くなったそうです。マーブルズは1960年代末に活躍したイギリスのデュオ。ギブ兄弟が提供した「オンリー・ワン・ウーマン」のヒットで知られています。音楽サイトNoise 11などが報じたところによれば享年64歳でした。合掌。

「オンリー・ワン・ウーマン」のビデオでギターを弾きながら歌っているのがグレアム・ボネット、ギターを弾いている左側の男性がトレバー・ゴードンです。

ゴードンとボネットはリンカンシャー出身のいとこ同士。ギブ兄弟同様にトレバー・ゴードンも子どものころに家族でオーストラリアに移住。そこで音楽活動を開始してギブ兄弟とも知り合います。1948年生まれですからバリーとふたごの間に入る年齢だったわけでウマがあったのかもしれませんね。

イギリスにもどり、いとこのボネットと組んでマーブルズを結成してビージーズつながりでデビュー。ギブ兄弟が提供した「オンリー・ワン・ウーマン」は当時から定評の高かったボネットの歌唱力もあって全英チャートで3位まで上昇しました。結局、アルバム1枚を残して解散してしまい、ボネットはレインボウなどを経て現在もアーティストとして活動中ですが、よりソフトな個性だったゴードンはその後音楽業界から引退したようです。ファンサイトGSIの記事(2013年1月9日付)によれば、最近ではジャズギターに関する本を著したとのこと。

追悼の意味をこめて、60年代にイギリスのティーン誌に掲載された全盛期のマーブルスのインタビューを簡単にご紹介します。当時のビージーズを取り巻く雰囲気の一端も感じられますので、なかなかユーモアに富んだ彼らの受け答えを以下にどうぞ。

マーブルスに20の質問

1.ポップス界の印象は?

グレアム・ボネット: 思ってた通りの感じ。
トレバー・ゴードン: 思ってた以上に忙しい感じ。

2.ステージにあがる前には緊張しますか?

グ: はい。10分ぐらい前から喉がカラカラ状態に。
ト: はい。待ってる状態がきつい。

3.落ち着くためにすることは?

グ: トイレに出たり入ったり。

ト:  深呼吸を二~三回。

4.人生でこわいものは?

グ: なし。おれは非常に勇敢である。

ト:  なし。

5.あなたってどんな人?

グ: ハンサムでユーモアがある。だがおれのユーモアを理解せず、馬鹿にするやつの方が多い。

ト: 自信家で野心家。ちょっと気難しい。

6.信心深い?

グ: ノー。
ト: ノー。

7.迷信深い?

グ: ノー。

ト: ノー。

8. いとこ同士だそうだけど、小さいころのお互いの記憶は?

グ: トレバ―は丸まっちくてそばかすがあって足がくさかった。

ト: グレアムはカールしたブロンドの髪を風になびかせていた。ぼくより大きかったけど一度もいじめられた覚えがない。

9.出身地は?

ふたりとも: スケグネス(訳注:リンカンシャー)。

10. 学校も一緒?

ト: いや、ぼくは7歳で両親とオーストラリアへ移住したから。

11. 自分でも曲を書くの?

グ: 書くけど別々。お互いに手は貸す。

12. 音楽をやるようになる前は何を?

グ: ウェイターをしながら夜に歌ってた。
ト: 学校を出てそのまま音楽業界に入った。そうでなければ大学に進学したと思う。

13. 何にでもなれるとしたら?

グ: 商業アーティストになりたい。マーブルスの一枚目のアルバムのカバーは自分ででデザインしたい。

ト: 科学者になって風邪の特効薬を発見したい。

14: 憧れのグループは?

グ: ビーチボーイズ。
ト: サイモンとガーファンクル、オーティス・レディング。

15. 車は持ってます?

グ: ノー。これから試験を受けないと。

ト: オーストラリアの免許が失効したので、また試験を受けないと。

16. 動物は好き?

グ: 好きだけど猫アレルギーでくしゃみが出る。

ト: はい。特に猫と犬が好き。

17.いやだなあと思う癖は?

グ: トレバ―は口のはしっこで話す。

ト: グレアムは遊んでばかりいる。

18.休みの過ごし方は?

ト: テレビがないので一緒に外出するのが好き。

19.繰り返し見る夢ってある?

ふたりとも: ありません。

20.10年後には何をしてると思う?

グ: ずうっとポップスをやっていて、フランク・シナトラみたいにレコードを作り続けていると思う。

ト: ずっとショービジネスの世界にいると思う。

(Pamela Townsend, "Fabulous 208," January 4, 1969)

「憧れのグループは?」という質問にビージーズの名前があがっていないのは残念な気がしましたが、考えてみたらこれは「目標にする先輩アーティスト」なのでしょう。また、「オンリー・ワン・ウーマン」のヒット後、ビージーズとは一時疎遠になったという報道もありますから、この質問でビージーズの名前が出てこないのは彼らが「ビージーズの弟分」というレッテルから脱却を図っていた時期だったからとも考えられなくはありません。

唯一のアルバム『Marbles』にはトレバー・ゴードンの自作曲も収められています。

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