「音楽の力がロビンを回復させた」(ハロー誌2012年5月7日号)
イギリスの芸能誌「ハロー」(2012年5月7日号)のインタビューにロビン夫人のドゥイーナさんが答えて、苦しい闘病と家族の献身的な看病、ロビンの病状などについて語りました。
ロンドンの病院で意識不明に陥っていたロビンが目を覚ましたのは「RJと一緒に新作『タイタニック・レクイエム』の中でお気に入りの曲”Distress"を聞かせているとき」だったそうです。
(この号では2010年のロビン家取材の際の写真が使われています)
これは女の人たちが沈む船に男性を残して救命ボートに乗り込む場面を描いたミサ曲です。この曲をロビンに聞かせていたら脳波測定器が激しい反応を示したんです。あ、音楽に反応しているんだ、とピンと来たので、ヘッドフォンの片側を持ち上げて”ロビン、音楽が聞こえる?”と声をかけました。そのときロビンが目を開いてわたしを見たんです。どんなにうれしかったか、とても言い表せません。それからロビンはRJの方を見て、”RJ、背中が痛い”と言うように口を動かしました。12日間も仰向けに寝たきりでしたから、看護師を呼んで楽な姿勢に変えてもらいました。それからロビンは栄養補給チューブを引き抜いてアイスクリームが食べたいと言ったんです。お医者様はびっくりでした。尽くせるかぎりの手は尽くして、あとは手の施しようがない、最悪の事態を覚悟していてください、と言われていましたからね。
ドゥイーナさんとRJの他にスペンサーとメリッサ、バリーも加わって病室のロビンにほぼ24時間付き添っていたそうです。医師の診たては暗いものだったのですが、家族はひょっとして「音楽に生きてきたロビンだから音楽を聴かせてみたらいいかもしれない」と思いついて、それを試してみたのだそうです。フロリダから飛んできたバリーはロビンのために特に書いた曲を歌ったそうです。ビージーズのヒット曲をかけるとロビンの血圧が上がることに気がついて医師に話したそうですが、医師の意見は「偶然でしょう」というもの。でも家族はロビンは音楽に反応していると信じて、最新作を聴かせてみることにしたのだそうです。
最新作の製作はロビンの病気と同時進行でしたので、「とてもつらい時期だった」と言います。ロビンは「抗がん剤投与を受けて帰宅すると、すぐにRJを探して曲作りを続行する」という形でこの作品に取り組んだそうです。「ロビンは曲を書いているときは元気そうでした。病気のことを忘れて音楽に集中できたからです」。また、ロビンはRJとの共作について「ビージーズ時代にバリーやモーリスと一緒に仕事をしていたころを思い出す」と語ったということです。
ロビンは今でもモーリスのことばかり考えています。しょっちゅう夢に出てきて、どれも明るい夢なのだそうです。でも悲しいのは(夢の中で)別れるときです。モーリスも一緒に来たそうなのだそうです。今のロビンは(退院して)自宅の庭で飼い犬のオリーとミッシーと一緒に遊びたくてならないのですが、それだけ元気になるにはまだまだ長い時間がかかるでしょう。点滴を受けて寝たきりの状態がこんなに続いたあとでは、もう一度食べたり歩いたりできるようにならなくては。でもロビンは強い人です。死に直面して克服したのですから。とにかくロビンが意識を取り戻してくれたことが嬉しくて、今はいつも近くについています。
そう語る幸せそうな夫人の言葉で4ページにわたる記事は終わっています。まだまだ集中治療室にいるというロビン、これからも長い闘いのようですが、少しでも早く元気になって自宅で犬とのんびり過ごせるといいですね。
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