訳詞コーナー:「恋のときめき」アンディ・ギブ
1988年3月10日、アンドルー・ロイ・ギブは30歳の若さでこの世を去りました。生きていたら54歳と考えると不思議な気がしますが、音楽一家の末っ子として、元気なら今も歌い続けていたかもしれませんね。
モーリスとロビンがふたごなら、バリーとアンディもふたごのように仲が良かったし似ていたと言われています。声も外見もバリーに似ていますが、やや線を細く甘くした感じ。スイートなイメージと爽やかな歌声で、トップアイドルに躍り出てしまったことが、結果的にはこの好青年の命を縮めることになりました。
今回取り上げる「恋のときめき(I Just Want To Be Your Everything)」はアンディのデビューヒットで、いきなり全米ナンバーワンに輝いた曲です。バリーが作り、バックボーカルにも参加していますが、アンディ自身も曲作りに参加したそうです。当時新婚さんだったアンディがキム夫人(その後離婚)への思いをこめたということで、バリーらしくロマンチックなラブソングに仕上がっています。
やっと
めぐり逢えた君とぼく
こんなに強い君への思いを
どうか受けとめて
愛されたいっていうだけでなく
君も愛し返してくれるなら
君の愛こそすべての鍵
かわいい人
ワインのようなその唇を永遠にでも待っていよう
ぼくの世界で君を包み込んで
この愛は輝く
見ていてくれ
ほんの少し 君も愛し返してくれるなら
その愛で新しい世界が開けてくる
ぼくは…ぼくは ただ
君のすべてになりたい
君の心にある天国の扉を開いて ぼくを
ただのあやつり人形から
君にとって大切な人間にしてくれないか
君がいなければ死んでしまう
ぼくの愛で包ませてくれ
なんでもするよ
君のすべてになりたい
ぼくは ただ君のすべてになりたい
バリーが歌い手の雰囲気や個性に合わせてぴったりの曲を書く腕前はよく「名人芸」にたとえられますが、この曲もアンディの持つイメージにぴったりのひたむきで初々しいラブソングです。アンディ本人はこの曲には「もっとも個人的な思いがこめられている」と語ったそうで、別れに終わった若く短い結婚にも幸せな時間が流れていたことが感じられます。
英語の歌詞はこちら。「恋のときめき」が収められたデビューアルバムは現在は廃盤ですが、アンディを代表する名曲として当然ながらアンディ・ギブ ベスト・ヒッツ に収められています。ライブでこの曲を歌うアンディの映像もYouTubeでいろいろと紹介されています。三人の兄たちとはまた違う独特の軽やかな魅力を感じることができますね。四人兄弟のうちで一番ソロとして単独で活躍できる資質を持っていたのはアンディではないかとも言われています。思い出をいつまでも胸に…。
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