ロビン・ギブ、『タイタニック号への思いがぼくを救ってくれた』 (その2)
その1に続いて「Mail On Sunday」紙1月22日号の特集記事の後半をご紹介します。
次男RJ・ギブとのコラボレーションについて
RJと組めたことが大きな原動力になりました。
RJは詞と曲の面での共作者だっただけでなく、レコーディングに際しての共同で製作総指揮にあたってくれました。このコラボレーションを本当に誇りに思っています。
クラシックへの挑戦について
クラシックのレクイエムというとぼくのふだんのスタイルとは違いますが、新境地への挑戦(誰だってわくわくしますよね)を楽しんだという面もあるだけでなく、結局のところ、音楽は音楽だと思うんです。ポップスではそもそも伝統的な楽器やオーケストラが活用されてきたし、ポップスはクラシックから大きな影響を受けてきたのですから。
ですから今回も基本的にぼくのアプローチは同じでした。まずRJとはそれぞれの部屋にテープレコーダーを持っていって、旋律を口ずさんで録音する、という形をとりました。キーボードを使って一緒にメロディ作りをすることもありました。
朝食の席や車の中などいたるところで曲作りをしたものです。ふたりとも夜型なので夜の仕事が多かったですね。夜11時から朝の4時まで仕事なんていうことがよくありました。兄や弟と仕事をしたときのことを思い出してしまいました。バリーと書くときも、それぞれ固定した役割はないんです。
『タイタニック・レクイエム』は135人編成のオーケストラと45人の合唱団を使って上演される大作で、4月10日のロンドン上演がプレミアになります。いずれ世界各地で上演できればと願っています。
作品の持つ今日的な意味について
タイタニック号の物語には人を動かすものがあります。不沈と言われた豪華客船は当時の、そして現代の産業社会を象徴しているのだと思います。ですからその船が沈んだという悲劇は人間の驕りへの警告であり、二年後に迫っていた世界大戦への序曲だったと思えてなりません。いまタイタニック号にこうして思いを馳せることが、悲しみの絶えないこの世の中で何かの役に立てればと願っています。
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