お誕生日おめでとう、ロビン&モーリス・ギブ
12月22日は冬至ですが、ビー・ジーズのふたごことロビンとモーリス・ギブの誕生日でもあります。ふたりは一年で一番夜が長い日に生まれたのですね。言い換えれば、ふたりは「これから日に日に明るさが増す日」に生まれたことになります。あるファンの方が「文字通り“希望の夜明け”(1973年に発表されたアルバム『ライフ・イン・ア・ティン・キャン』からのシングル)」だというメッセージを送ってくださいました。
元気であれば、まだ68歳。同年代でまだまだ活躍しているアーティストのニュースを耳にするたびに、「ふたりだってまだまだこれからだったのに…」と思っています。
毎年、この記事のために、ふたりが並んでいる写真を探すのは意外につらい作業です。3人並んでいる写真からバリーだけ切り取るのもいやだし…と思っていると、ふたりだけの写真というのは意外に少なくもあります。今年はとっても若かったころのふたり、イギリスの雑誌『Fabulous』の1968年5月4日号に掲載された「ビー・ジーズのファクト・チェック」(Bee Gees Statistics)から、ふたりのデータをご紹介します。
これは冬至じゃなくて当時5人組だったビー・ジーズの身長、体重その他のデータシート。
まず、ロビンから。
生れたのは?
1949年12月22日、マン島ダグラス生れ。
どんな朝食メニューが好き?
シュレディッド・ウィートとホット・ブラックカーラント・ジュース。
カジュアルな服装ではどんなものが好き?
しゃれたスーツ。
フォーマルでは?
三つ揃いのスーツにハイカラーのシャツ。
好きな飲み物は?
ホット・ブラックカーラント・ジュース。
好きな食べ物は?
シュレディッド・ウィートとホット・ブラックカーラント・ジュース。
髪と目はブラウン。カラーのサイズは14。胸のサイズは33。靴のサイズは8。
好きな女の子のタイプ
いいなと思う子なら。
女の子に送る花は?
花は送らず、プレゼントを贈る方が好き。
女の子の香水ではどんなものが好き?
フランスの香水。
ペット
ブルドッグを飼う予定で、名前はベンゴ。
現在の作曲家では誰が好き?
バート・バカラック。
クラシックでは?
いません。
好きな車
メルセデス・ベンツ。
好みのナイトスポットは?
テレビを見る。
好きなリラックス法は?
テレビを見る。
好きなテレビ番組は?
政治がらみでなければ何でも。
好きなグループ
アソシエーション
好きな男性歌手
ロイ・オービソン。
好きな女性歌手
ニーナ・シモン。
好きな国
イギリス。
3つの願いがかなうとしたら?
(a) あと3つの願い。
(b)外国語が話せるようになりたい。
(c)東側の世界に西側の良さを知ってほしい。
信心深いですか?
はい。
子どもは好き?
子どもは大好きです。
何人欲しい?
ふたり。
外国語は話せますか?
いいえ。
ボーイスカウトに入っていたことがありますか?
ノー。
続いてモーリス。
生れたのは?
1949年12月22日、マン島ダグラス生れ。
どんな朝食メニューが好き?
ポーチトエッグとベーコン。
好きな飲み物は?
コーク。
カジュアルな服装ではどんなものが好き?
シャツとタイ。オシャレなのが好き。
フォーマルでは?
ベルベットのディナースーツ、ジャケットはサテンのふちつき。
好きな食べ物は?
フィレステーキとマッシュポテト。
身長5フィート7インチ。体重は9ストーン7インチ。髪と目はブラウン。カラーのサイズは14。胸のサイズは33。靴のサイズは7半。
好きな女の子のタイプ
小柄で性格の良い子。
女の子に送る花は?
赤いバラ。
女の子の香水ではどんなものが好き?
さりげないもの。
ペット
ロシアという名前の犬。
現在の作曲家では誰が好き?
サイモンとガーファンクル。
クラシックでは?
ベートーベン。
好きな車は?
ベントレー。
好みのナイトスポットは?
トーク・オブ・ザ・タウン
好きなリラックス法は?
クラシック音楽を聴く。
好きなテレビ番組は?
Till Death Do Us Part (訳注 当時BBCで放送されていたコメディ番組)
好きなグループ
デイヴ・ディ・ドージー・ビーキー・ミック・アンド・ティッチ
好きな男性歌手
トム・ジョーンズ。
好きな女性歌手
シラ・ブラック。
好きな国
スイスーとても美しい国だから。
3つの願いがかなうとしたら?
(a)田舎にゴーカート場のある家が欲しい。
(b)一人乗りのヘリコプター。
(c)今の幸せが続きますように。
信心深いですか?
はい。飛行機に乗る時には必ず十字架をつけています。
子どもは好き?
イエス。
何人欲しい?
3人。
外国語は話せますか?
アメリカ語とオーストラリア語。
ボーイスカウトに入っていたことがありますか?
ノー。でももう少しでポリス・カデッツに入りそうになりました。
ティーン雑誌ということもありますが、こういうあたりさわりがないというか、音楽とは何の関係もないというか、こういうやりとりを見ていると、彼らが当時はアイドルであり、しかもその仕事をきっちりとやっていたことがよくわかります。さすがに後年ミュージシャンとして地位を確立してからは、この手の質問はなくなりました。でもこういうのも意外と人間性が感じられて面白いですね。
ロビンがいうシュレディッド・ウィートというのはシリアルの一種です。好きな食べ物や飲み物も一貫して同じものをあげているのは、よっぽど好きだったか、ギャグのつもりか、どっちかでしょう(おそらく後者)。
食べ物の好みはモーリスの方がおいしそう。ステーキとベーコンとマッシュポテトか…いいなあ。
モーリスの「好みの女性」はなんとなくもう当時噂の相手だった後のルル夫人を挙げているような印象ですが、好きな歌手は「ルル」ではないんですね。(ここではね) ロビンは一貫して、非常にロイ・オービソンが好きだったようで、歌い方にも影響が顕著です。ニーナ・シモンが好きというのも納得ですね。
ボーイスカウトの項で、モーリスが挙げている「ポリス・カデッツ」というのは警察系のボランティア少年団体で、地域活動などに貢献します。映画『小さな恋のメロディ』の冒頭でダニエル少年とトム・オーンショー君が出会ったBB(Boys’ Brigade)もそういう団体のひとつで、あちらはキリスト教系です。映画の字幕では確か「少年団」という役だったでしょうか。
後年、クラシック音楽に傾倒して遺作はクラシックの『タイタニック・レクイエム』だったロビンですが、この段階ではまだクラシックにはさほど興味がなかった模様。モーリスの方が先にクラシック派だったのですね。
モーリスが挙げているデイヴ・ディ…は名前が長すぎる(メンバー全員の名前をつなげた)という理由で、当時の日本では「デイブ・ディー・グループ」という名前になっていました。固有名詞をこんな風に変えてしまうというのは現代ではちょっと考えられないですが、50年前(まさに!)には日本と海外にどのぐらい距離感があったかということの証明のようでもあります。リーダー格で人気が高かったデイブ・ディーもすでに亡くなりましたが、当時彼らはビー・ジーズと一緒にツアーをしています。ここでモーリスが名前を挙げたのにはそんな事情(親しかった)もあったのかもしれません。
また、おそらくビー・ジーズで一番政治色が強く、ブレア元英首相をはじめ政治家との交遊も多く、労働党のラリーに参加して投票を呼びかけたり、心情的に中道左派だったと思われるロビンも、このころは政治に無関心だったようです。50~60になってからと10代の”子ども”のころでは考え方も、好きな食べ物も、いろいろと変わって当たり前でしょうね。それから身長や体重は多少上下したぐらいでしょうが、さすがに眼の色なんかは変わらなかったことでしょう。
この時の撮影会の一連の写真は、いろいろなポーズのものが出回っていますが、雨上がりの午後のようなロンドンの通り(今思うと彼らのオフィスがあったブルック・ストリート近辺?)みたいな光の中で、全員がとてもやわらかな表情で写っているものが多く、当時大変に好きでした。日本盤シングル「ジャンボー」のジャケット写真もこの時に撮られた一枚でしたね。
明日あたり、バリーを含めた残る3人のファクト・チェックもご紹介します。
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