ジョナス・ブラザーズ、新作「No Time To Talk」でビー・ジーズをサンプリング
現時点において、音楽シーンでもっとも人気の高い3兄弟といえば、このジョナス・ブラザーズでしょうか。6月20日に登場した彼らの新曲が、音楽界のレジェンドであるもう一組の3兄弟へのオマージュともいうべき、「No Time To Talk」 です。
「No time to talk(ノー・タイム・トゥ・トーク)」といえば、そう「ステイン・アライヴ」の冒頭、「Well, you can tell by the way I use my walk, I’m a woman’s man, no time to talk)です。この新曲は、この部分を使って、歌詞をまったく変え、ダンスフロアで好きな女の子を見かけたけれど、「わたし、踊りに来ているの/話してるひまなんかないわ」と言われてしまう、という歌にしています。
ロビンが『ビー・ジーズ 栄光の軌跡』で、「歌詞を聞いてもらえばわかるけど、あれはダンスの曲歌ではない」と言っているように、ビー・ジーズの原曲「ステイン・アライヴ」はエネルギーに満ちて輝いているけれど、同時にハッとするほど悲しい、若さの虚勢と痛みに満ちた曲でもあります。映画のクライマックスともいうべきグラストンベリーでのバリーの祈りにも似たパフォーマンスに涙を流した人も多いことでしょう。
対して、この「No Time To Talk」は洒脱できらきらしたまぎれもないダンスの曲。ディスコ時代のコマーシャルな全盛期を通じてさえ、常に陰をまとっていたビー・ジーズに比べ、この3兄弟はとっても粋で洒落ております。
まだこのサイトでは取り上げられずにいますが(万事、遅れていてすみません😢)、最近では郷ひろみ氏が某CMで取り上げても話題になったこの名曲「ステイン・アライヴ」。少しも古さを感じさせませんね。
「No Time To Talk」の歌詞付きのオフィシャルビデオはこちらで観られます。ライブヴァージョンも登場しました。両者のマッシュアップも登場しました(こちら)。
オフィシャルビデオでのジョナス兄弟がハイウェイみたいなところを歩いているのも、ビー・ジーズ版が歩いている映像なのを思い出させますね。
udiscovermusic.comの関連記事(2025年6月24日版)によれば、「No Time To Talk」は8月5日発売予定のジョナス・ブラザーズのニューアルバム『Greetings from My Hometown』からの新曲。ジョナス3兄弟は上のふたりが80年代生れ、三番目のニックにいたっては1992年生れです。そんな彼らが子どもだったころのダンスパーティーでは、いつもビー・ジーズの曲が流れていたので、そんな時代へのオマージュとして、個人的な思いと曲の持つ普遍的な魅力の両方を盛り込んだとのこと。(見当違いかもしれませんが、ニュージャージー出身のジョナス兄弟、同じニュージャージーが生んだスーパースター、ブルース・スプリングスティーンのデビュー・アルバム『Greetings from Asbury Park』を意識しているのかな、とちょっと思いました)
こうして新しい時代のアーティストたちにビー・ジーズの曲が取り上げられて生き続けていくのは嬉しいことですし、新しい時代の音楽ファンが、これをきっかけにビー・ジーズの原曲から何かを感じ取ってくれたら、とても素敵ですね。
それにしても、冬に公開された映画だけれど、『サタデー・ナイト・フィーバー』の曲にはすごく夏の空気が、特に夏の夜の空気が似合う気がします。
関連記事:【2019年12月】全米1位「ステイン・アライヴ」を検証する
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