「若葉のころ (First of May)」(Maurice&Lulu篇)

5月1日とモーリスのソロ・デビュー50周年にちなんで、今週は10年以上前にアップしたこの記事をトップに出しておきます。(と、若葉のころ(っぽい)色で書いてみました!)

「若葉のころ(First of May)」ギブ三兄弟それぞれのリードボーカルで発表されている数少ない曲のひとつです(あるいは唯一の曲かもしれません)。

こちらは2002年5月に放送されたテレビ番組「An Audience with Lulu」からモーリスとルルのデュエットです。

モーリスを紹介するルルのスピーチも感動ものなら、さりげないユーモアで応じるモーリスもいかにもモーリスらしくダンディでクールです。

ルル: この番組をやることが決まって、ある人に『出てもらえないかしら』って言ったら、彼、少しも迷うことなく、すぐに『いつ?』って言ってくれました。そんなわけで今日ここに来てくれた彼、モーリス・ギブに拍手をお願いします。

ルルがそう紹介すると大歓声の中、モーリスが登場します。

モーリスとルルが結婚したのは1969年2月18日。当初、若すぎるふたりの結婚にバリーは反対したそうですが、まだ少年少女の面影を残したトップアイドル同士のカップルはマスコミや一般の注目を集めました。それも大変だったことでしょう。

その状況に触れてルルが「みんなが知っている婚約、みんなが知っている結婚」で「結婚式もすごかったわね。教会の外に人がいっぱいで中に入れなかったぐらい」と述べると、モーリスは「教会のまわりに何千人も集まって、外に出ることもできなかったから、いっそ教会に住んじゃおうかと思ったぐらい」と観客を笑わせています。

「 あのころは家に一緒にいて、よく一緒に歌っていたわよね。ふたりとも音楽が大好きだったから。一緒に歌うのはほんとにひさしぶりね」

モーリスが「27年ぶり」と返すと、「そんなに!」と驚くルル。モーリスはさらに「27年と33日9分20秒ぶり」だとふざけてみせます。そこでルルが「じゃ、また一緒に歌ってくれる?」と聞くと、モーリスは「もちろん!」。

時の流れの中でいつの間にか失われてしまった遠い日の愛、別れてもいつまでも大切な相手への思いを歌ったこの歌は、大人同士の再会にふさわしい歌かもしれません。

ルル夫人は1972年のビージーズ初の日本公演のときにはモーリスと一緒に来日。仲睦じい姿を見せていましたが、人気者同士のすれ違いとキャリアのプレッシャーを理由に1973年には離婚。その後、モーリスは1974年に知り合ったイボンヌ夫人と1975年に再婚して、幸せな家庭を築いたのはご存じの通りです。

時は流れ、お互いに幸せになったからこそ、思いやりをこめて一緒に歌うことができたのでしょう。この翌年にモーリスがこの世を去るとは誰に予想できたでしょうか。

{Bee Gees Days}

 

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