バリー・ギブinニュージーランド

バリー・ギブのオーストラリア/ニュージーランド・ツアーはブリスベーンでの2回の公演(16日と19日)のあと、ホークスベイで行われたアウトドアイベント、ミッション・コンサートでニュージーランドに達しました。23日の公演に先立って22日にニュージーランド入りしたバリーは現地でマオリ式のセレモニーで歓迎されたということです。

この様子はニュージーランド・ヘラルド紙(オンライン版2013年2月22日付)やホークスベイ・トゥデイ紙(オンライン版2013年2月22日版)で紹介されています。ポウィリと呼ばれるこの本格的なセレモニーでは、現地の高校生が伝統のダンスや歌を披露するなどしたほか、最後にバリーやギブ兄弟に敬意を表して「傷心の日々」が歌われ、バリーは「ワーズ」を歌ってこれに応えたということです。「ようこそバリー、あなたのご家族は今日みんなスピリチュアルな意味でここにいます」という歓迎側の言葉にバリーは「We love you。素晴らしい愛を示してくださってありがとう」と答礼しました。

また儀式に際してマオリ族の伝統的なマントと戦闘用の棍棒を贈られたバリーとスティーブン・ギブは大感激。バリーは「美しい儀式でした」と感想を述べ、「マントは返さなくてはならないけれど、この棍棒の(ミニチュア)はいただけるのだそうです」と嬉しそうで、忘れられない思い出になったと語ったということです。

翌23日には20,000人を超える観客を集めてミッション・コンサートが開催されました。ホークス・ベイ・トゥデイ紙に写真入りで掲載されたレビュー(オンライン版2013年2月24日付)を以下に簡単にまとめてご紹介します。

バリー・ギブはビージーズの輝かしい伝説を証明する名曲の数々を引っ提げて土曜日の夜のミッション・コンサートに登場した。コンサート前に、観客もときに一緒に唱和すると聞いて喜んでいたバリーだが、26曲からなるセットリストの21番目の曲「ワーズ」でこれが実現。最後のコーラスを観客の方が歌ってしまうので、バリーはいったん歌い止めて耳をすます。さて今度こそとバリーは二度ほどトライしたが、またまた観客に歌われてしまう。とはいえ、バリーはにっこり、「今度はぼくの番だね」。そして40年前、初めて登場したときと変わらぬ声量と感情をこめてバリーはこの曲を歌い終えた。

また視角効果の大きさも忘れられない。若き日のギブ兄弟の映像や写真をプレリュードとして舞台に登場したバリーは「How you all doing … alright? (みんな~、元気かな~?)」とあいさつ。「ジャイブ・トーキン」が始まると同時に観客が歌い始め、中には踊る人の姿も。おなじみの曲目が続く。「ロンリー・デイ」でも歌声があがり、続く「You Should Be Dancing」では人々が立ち上がって踊り出す。続いて美しい「First of May」。

バリーは曲のあいまに観客に語りかけ、モーリスの愛娘でありバリー自身の姪にあたるサマンサ・ギブを紹介する。ふたりが歌う「傷心の日々」はまた格別だ。バリーの目には光るものが見られた。モーリスを、そしてロビンを、アンディを亡くして、この歌は今のバリーにとって大きな意味を持つ。もちろん念入りに練り上げられたショーなのだが、「オン・タイム」でスティーブンのギターに不備が出たときにはバリーは笑ってアドリブを。ギターの調子が悪かったスティーブンは途中でギターを取り換えたものの最後のリフに間に合っただけ。そこでバリーが「もう一回!」と声をかけて、曲が繰り返されたのである。ハイライトは「ジョーク」のデュエットだった。バリーが歌い始めたかと思うと、大スクリーン上のロビンがこれを受け継いで歌い納める。ああ、ロビンがいてくれる。魔法のような瞬間だった。

曲の多様性もまた魔法のようだった。「Islands in the Stream」「Spick and Specks」「In the Morning」、そして心をかきたてる「Ordinary Lives」へと。「Ordinary Lives」を歌う前にバリーはオーストラリアで暮らし始めた若き日の思い出を語り、弟たちについて語った。涙、涙のうちに最後の曲「Immortality」となる。

アンコールは「Stayin’ Alive」。家路につく観客の心をはずませる選曲だ。

バリー・ギブのコンサートだった。そしてまたビージーズのコンサートでもあった。

これは個人的にとても納得のレビューです。最後の一文にはまったく同感です。ロビンがバリーについて「You are the very heart of the Bee Gees(バリーこそビージーズの魂なんだ)」と言った言葉がしみじみと思われるような今回のバリーのツアーであったと思います。

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