ロビン・ギブ、北欧のトークショーに出演
カローラと一緒に『愛はきらめきの中に(How Deep Is Your Love)』を歌うロビン(2011年2月11日放送)
2011年2月11日(金)、スウェーデンとノルウェーで放送されているFredrik Skavlanのトークショーにロビン・ギブがゲスト出演、20分ほどのインタビューに応えて楽しいトークを披露しました。
また番組中でロビンは80年代に一緒に仕事をしたスウェーデンのトップ女性シンガー、カローラとの再会を果たし、ギターの伴奏で『How Deep Is Your Love』の心にしみるデュエットも聞かせてくれています。この様子はこれから3週間ほどはSVTの同番組サイトで見ることができるほか、上にご紹介したようにYouTubeにも一部の映像がアップされています。
ロビンは観客席に話しかけて笑いを誘うなど絶好調。なかなか楽しいものとなったインタビューの内容を以下に簡単にご紹介します。
話すときもハモる?――超絶ハーモニーの秘密
Q: スカンジナビアへようこそ。ビージーズといえばハーモニー! トークではどんな話し方なんだろうと常々疑問に思っておりました(笑)。
R: 話すときもハモってるわけじゃありません(笑)。でもあるときカーラジオで聞いていたら、「ハーモニーグループの人気投票」みたいなのをやっていたんです。候補はビートルズとビーチボーイズとビージーズ。で、(観客に向かって)一番はぼくたちでした!(観客やんややんや)。
声の専門家が出てきてぼくたちのハーモニーの秘密を分析し、「兄弟だから声の質が近くてそれが自然なハーモニーになるんだろう」なんていってましたが、ビーチボーイズも兄弟なんですよね(笑)。
Q: あなたもバリーも今でも歌っているんですか? 年齢的なこととかはどうでしょう。
R: 俳優がトシとっても演技することを止めないようにもちろん今でも歌っています。ただ、自分たちとしては「1にソングライター、2にパフォーマー」という意識が強いです。ぼくたちのカタログはレノン=マッカートニーと並んで今でも世界でもっとも聞かれている曲なんですね。
Q: 70年代の曲では今でもフロアが埋まりますよね?
R: フロア? 何でそこで床?
Q: ダンスフロアですよっ!
R: ぼくたちは踊りませんけどね。それは他の人たちに任せてます。ぼくたちは「1にソングライター」ですからね。
Q: で、映画ではジョン・トラボルタがあなたたちの素晴らしい曲で踊ったわけですが、彼、ちゃんと感謝してます(笑)?
R: ジョンには先週もベルリンで会いましたけど、いくつになっても無邪気な雰囲気のある魅力的な人物ですよね。成功したのも当然だと思います。で、「感謝してるかどうか」なんて、なんか恩着せがましいですけど……えー、はい、感謝してくれてるんじゃないかなあ…なーんて(笑)。
葬式でかけたい自作曲は?
R: 音楽に力があるというのは本当ですよね。歌詞のせいで自殺を思いとどまったり、ビージーズの曲を聞いて昏睡状態から目覚めた人の話も聞いたことがあります。ビージーズの曲を流して葬式から結婚式まで…ね。現代の讃美歌といってもいいかもしれませんね(笑)。この間も教会で『How Deep Is Your Love』のレコードをかけて結婚している人をテレビで見ましたよ。
Q: ご自分のお葬式でかけたい曲は?
R: こりゃまたどうも…やっぱ、『トラジディ』かな! あ、『Stayin’ Alive』とか、『You Win Again』もありだけど、やっぱりきっと『トラジディ』(笑)。
Q: アンディとモーリスが亡くなって「昔はよかったなあ」と思われることはありませんか?
R: ぼくは“ノスタルジア”なんて信じないし、そんなに簡単によかったとかよくなかったとか言えるものでもないと思っています。結局、大切なのは現在と未来じゃないでしょうか。時間は貯金できないし、100年生きてもまだまだ人生は短い。したいことがあればした方がいいし、ありがたいなと思ったり、大切に思う人がいれば気持ちを伝えた方がいい。それからいいなと思う人がいたら、率直に褒めて背中を押してやるのがいい。ぼくはそう思います(観客拍手)。
Q: ノスタルジアという言葉が出たところで、これまでを振り返り、セリーヌ・ディオンとかダイアナ・ロスとかドリー・パートンとかバーブラ・ストライザンドなど錚々たるディーバたちと仕事をしてきて、さて一番わがままで注文がうるさかったのは誰?
R: うーむ(笑)。ダイアナ・ロスはですね、ぼくたちが書いた曲が気に入らなくていったん断られちゃったんですよ。で、最後の夜に、バリーとぼくはシュプリームスの曲っていうイメージで行こうということになって、『Chain Reaction』を書いたんです。次の日にダイアナに聞かせたら、「こんなのダメよ。これってシュプリームスの曲みたいじゃない!」って言うんです。そこでぼくたちは、「そこですよ。だってあなたこそシュプリームスそのものじゃないですか!」。「まあ~、じゃやるわ」…とまあ、そうなりました(笑)。
ここで80年代のモーリスとロビンがアルバム『Runaway』をプロデュースしたカローラの話題になり、ロビンは当時はまだ駆け出しの18歳だったカローラの「プロとしての自覚」の素晴らしさを讃えます。
そこにスタジオの外で“Woman In Love”を披露したあとカローラがスタジオに登場してロビンとデュエット。ビージーズの曲は高音部を要求されるので大変なのだそうです。モーリスとロビンと一緒にアルバムを作った当時の話になって、実は問題があったというエピソードを語ります。『Lost in the Crowd』の中のある一行が敬虔なクリスチャンであるカローラにはどうしても歌えなかったのだとか…。
C: 覚えてます? わたしがどうしても歌えない一行があったんですよね。もうアルバムカバーも冊子もできてるのに、「わたしは自分の中の悪魔(devil)をどうしようもないの」っていうところが歌えなくて…。わたしの中には悪魔なんかいませんもの。
R: ぼくの中にいたんです(笑)。
C: で、変えてもらえないだろうかとお願いして、マネージャーに電話したら、「カローラ、君は運がいいよ。実は今日、『Chain Reaction』がイギリスで1位になったんで、なんでもありになったよ」と言われたんです。そこで“悪魔”を“気持ち(feelings)”に変えてもらって、「わたしは自分の気持ちがどうしようもないの」って歌いました。
R: ほんと、わがままで注文が多いんだから(笑)。
北欧では人気を誇るトークショーということですが、司会者のSkavlanさんが飄々とした感じでありながら、なかなかぎょっとするようなことをいろいろとズバり聞くので、ロビンも内心たじたじだったかもしれませんね。「カローラと一緒に歌えるかどうか、今からテストしましょう」と言われたときのロビンの反応が面白い(笑)。
収録は前日10日に行われましたが、この日、ストックホルムは大雪に見舞われ、空港も閉鎖されてイギリスへの帰国便も飛ばず、ロビンは思いがけない“雪のストックホルムの休日”を過ごすことになったそうです。この様子についてはロビンが自サイトのブログに「カローラとぼくが"How Deep Is Your Love"を歌ったら雪がやんだ」と書いています。春遠からじの"How Deep~"。
ロビンとモーリスがプロデュース、バリーも曲作りに参加したカローラのアルバムRunaway 。ロビンとモーリスのハーモニーも聞くことができます。
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