【72年3月】「歌いまくるバリー、ロビン、モーリス」(『週間FM』誌?掲載東京公演レビュー)

初来日初日公演(1972年3月23日渋谷公会堂)のビー・ジーズ
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これはたぶん『週間FM』(or『FM Fan』)からの切り抜きです。白黒2ページ見開きで、左側のページ(右掲)は渋谷公会堂の初日東京公演で愉快なポーズをとる三人。右のページは記者会見での三人の写真でした。

記事のタイトルは「歌いまくるバリー、ロビン、モーリス」。

バリー、ロビン、モーリス兄弟のザ・ビージーズが来日した。記者会見の席上「ハードなロックも好きだけど彼らの音楽はボクたちのそれとはちがって、アンダー・グラウンドのものだ」と語るように、彼らはつぎつぎとヒットをとばし、陽の当たる道を歩みつづけている。今回はドラマーのジョフ・ブリッジフォードが気管支炎で入院中のため来日できなかったが「これがオリジナルのビージーズだ」と三人は胸をはる。

まあ、ジェフ(ジョフではありません)・ブリッジフォードの扱いについてはマネージメントの判断も揺れたのでしょう。このあと、「もともとセッションドラマーのようなものだった」という発言もありました。いずれにせよ、ビー・ジーズといえば、この3人であることに異論がある人はいないでしょう。

3月23日、東京・渋谷公会堂で迎えた初日公演。会場は女性客を中心に超満員だ。
ステージは「ニューヨーク炭鉱の悲劇」でオープン、「ラヴ・サムバディ」「そして太陽は輝くとつづく。つい先きごろ来日してファンを魅了したレターメンとは対照的なクローズド・ハーモニー。そして、さすがは兄弟だけに声の質がよく似ていて、高音部でまとめたハーモニーはなかなかだ。「ワーズ」「メロディ・フェア」と歌はつづき、彼らの最大のヒット「マサチューセッツ」になって会場の雰囲気は最高潮に達した。メドレーを含めて17曲。歌いまくる彼らに拍手で応える聴衆。久々に熱っぽいコンサートだった。

と、これも好意的なレビューでした。当時高校生だった私は、この記事で「クローズドハーモニー」と言う言葉を初めて知ったのでした。しかし、ビー・ジーズのハーモニーが「なかなか」って、あなた…。彼らが超ベテランになったころには、この「なかなか」が「さすが」に変わっていたのでした。でも実をいうと、この年はロビンが風邪をひいていて、あの芸術品みたいな個性的な高音が生きていなかったのです。それで、「なかなか」かな?

「そして太陽は輝く」とか、「ジングル・ジャングル」とか、思ったより古い曲をやるんだなあ、と思っていたら、しめくくりはやんややんやの「スピックス・アンド・スペックス」でした。このあたりで若い女性ファンがどどどーっとステージに押し寄せておりました。

{Bee Gees Days}

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